BurmaInfo


BurmaInfo ビルマ情報ネットワーク




SiteSearch by Google
ENGLISH INDEX
日本語トップページ
■最新情報
新着情報
メーリングリスト
イベントのお知らせ
きょうのビルマのニュース
今週のビルマのニュース
日本ビルマ救援センター
■初めての方へ
ビルマ問題入門
HRW年次報告
アムネスティ年報
■ビルマの現状
国内政治の動向
難民 民族 人の移動
保健 労働 ジェンダー
ビルマと宗教
軍事 麻薬
刑務所 政治囚
■国際関係
開発と環境
国連・国際機関
国際社会
■日本とビルマ
入管問題 難民制度
官公庁 開発 ODA
エッセイ
■もっと知りたい方へ
リンク集
ブックガイド
「月刊オルタ」ビルマ特集
PFB機関誌
「アリンヤウン」
「ビルマの人権」
BurmaInfoについて
運営体制
質問される方へ
BurmaInfo MLに参加

米国政府:ビルマ情勢と米国政府の対ビルマ政策に関する議会報告

ビルマ情勢と米国政府の対ビルマ政策に関する議会報告

2001年4月12日

大統領による書面

タイトル3―大統領

[20725頁]

2001年4月12日付覚書
ビルマ情勢と米国政府の対ビルマ政策に関する議会報告

国務長官への覚書

 包括的予算歳出法(公法104−208)に含まれる、1997会計年度対外事業歳出法[Foreign Operations Appropriations Act]第570(d)項の「対ビルマ政策」で示された要求事項の実現に向けて、法規に則り、以下の事項については6カ月毎の報告が求められている。

 1)ビルマ民主化の進展状況。

 2)ビルマ国民の生活の質(QOL)の向上の度合。これは市場改革の進展状況、生活水準、労働水準、観光業における強制労働の使用状況、環境保全の状況を含む。

 3)ビルマ国内に民主主義と人権状況の改善をもたらし、生活の質を改善するための、多国間による包括的な戦略の進展状況。これは国家平和発展評議会とビルマ国内の民主化・反政府勢力との対話の進展状況を含む。

 2000年9月28日から2001年3月27日の期間について要求事項を満たすために、以下の報告書を両院歳出委員会に提出し、かつ官報の記載に供する権限を貴君に与え、その実行を指示する。

(大統領署名)

ホワイトハウス
ワシントン、2001年4月12日
議案コード4710−10−M(Billing code 4710-10-M)

[20726頁]

公法104−208(1997会計年度の包括的予算歳出法)の実施計画

2000年9月28日から2001年3月27日までのビルマ情勢と米国政府の対ビルマ政策

序および要約

 ビルマ軍事政権は過去6カ月、国民民主連盟(NLD)への徹底的な対決姿勢を改め、NLDのアウンサンスーチー書記長との交渉と対話を行う政策への方針転換を行っている。しかし軍政側の狙いや動機を判断するのは時期尚早である。交渉の両当事者とも対話の内容を極秘にしているものの、一部政治囚の釈放や、国営メディアによるスーチーとNLDの悪質な攻撃の停止といった友好的な意思表示が見られる。しかしビルマ政府はいまだ1600人以上の政治囚を収監している。スーチーは現在も自宅軟禁中であるが、国連、EU、米国からの訪問者に対し、現在の対話への支持を表明し、現状には満足していると述べている。

 ビルマ国民の生活の質は悪化し続けている。貧困が拡大しており、経済は深刻な外貨不足、汚職、経済運営の失敗と国軍への資源配分によってひずみを生じ始めている。人権侵害も続いている。ビルマの市民生活は、恣意的で時には残虐な軍政の命令に左右されている。少数民族居住地域では、超法規的処刑、強かん、失踪に関する報告が続いている。監獄の状況は過酷で生命を脅かす危険性すらあり、反体制的な政治的見解を表明したという理由での恣意的逮捕や拘束や頻繁に発生している。

 強制労働は深刻な問題のひとつであり続けている。国際労働機関(ILO)理事会は2000年11月に、ビルマ政府が「広範かつ組織的に行われている」国内での強制労働を停止するための効果的な対策を行っていないと結論した。ILOは設置以降初めて、加盟国に労働権に関する国際基準の遵守を実施させるための行動を取った。[2000年]6月のILO総会決議に基づき、ILO事務局長は加盟国に対しビルマ政府との関係を見直し、それまでの関係がビルマ国内での強制労働を助長していないか確認するよう求めた。米国はこの決定を強く支持する。

 米国のビルマ政策の目的は、民主化への前進、文民政権の回復、人権状況の改善、および効果的な麻薬対策にある。米国は現在行われているアウンサンスーチーと軍事政権との対話を支持し、この対話が民主化に向けた有意義な変化をもたらすことを期待している。また現在のビルマの人権状況についての懸念を共有する諸国と高官レベルで定期的な協議を行っている。

 EUおよび、類似しているが同一ではない政策を採る諸国との協力の下、米国は対ビルマ制裁を実施している。内容は武器禁輸、投資の禁止、高官への査証発給禁止措置である。これら制裁の目的は、民主化への進展と人権の一層の尊重を支援することにある。

 現在のアウンサンスーチーと軍事政権との対話によって、あるいは別の方法によって目標の実現に近づく重大な変化が引き起こされた場合、米国は建設的な変化を後押しする施策を真剣に考察する義務がある。

民主化への前進状況についての評価

 再検討期間(2000年9月から2001年3月)中、ビルマ軍事政権はNLDとの対決一辺倒の政策を改め、NLDのスーチー書記長との対話と交渉を進める政策へと転換した。しかしこの動きが真の変化を表すかどうかを判断するのは尚早である。

[20727頁]

 スーチーがラングーン市外への移動を二度にわたって阻止され、2000年9月21日に自宅に幽閉され、まったく連絡が取れなくなって以後、軍政は国連のラザリ特使の助言を容れ、また国際社会からの高まる批判、とりわけ人権侵害と強制労働を強要する政策に対する批判に直面し、2000年10月からスーチーとの秘密対話を開始した。この対話はある部分では相互理解の大幅な前進に貢献しているように思われる。

 現在のところ双方とも会談内容を一切明らかにしていないが、関係醸成を表す一連の意思表示が見受けられる。軍政は12月にNLD中央執行委員会9人のうち6人を自宅軟禁から解放した。こうした努力によって、ビルマの新聞のメインテーマであったスーチーとNLDに対する敵意に満ちた攻撃は停止されており、NLDは通常の党活動の再開を部分的に許可されている。

 ラザリ国連特使の具体的な要求に基づき、ビルマ政府は約100人の政治囚を釈放した。この中には、高名な弁護士で9月に不当に投獄されたチェインポー氏など高齢で病気の囚人多数、既にマンダレーで服役中だった5人の政治囚、スーチーが2000年9月21日に拘束された際に逮捕されたNLD支持者85人あまりが含まれている。しかし現在もおよそ1、600人の政治囚が拘束中であり、この数字は2000年当初よりも増加している。

 軍政はスーチーとの面会者を徐々に増加させている。12月以来、スーチーの息子と家族、NLD中央執行委員の一部、ラザリ国連特使、EUの代表、オーストラリアの人権問題専門家クリス・シドッチ氏、ラルフ・ボイス米国務副長官などがスーチーと面会している。スーチーは、どの会談でも、事実上の自宅軟禁状態に置かれているが、軍政との対話が行われている状態に満足していると述べた。しかし外部に対しては対話の内容を一言も明らかにしていない。

麻薬対策の取組

 ビルマはアヘンとヘロインの世界第2位の生産国である。しかし96年以降ビルマ国内での生産量はアヘンとヘロインともに低下している。2000年にビルマで生産されたアヘンの量は推計1085トンで、96年の2560トンより約60%減少した。

 アヘン生産量が減る一方で、メタンフェタミン(覚せい剤)の生産量が急増しており、ビルマ政府と停戦協定を結んだ元反政府少数民族武装勢力が支配する辺境地域で伸びが著しい。ビルマ政府によるメタンフェタミンの押収量は96年には600万錠だったが、2000年には2,700万錠に達している。

 ビルマ政府が組織的に麻薬密売に関与しているとの証拠は一切ない。しかし官僚、特に辺境地域に駐留する腐敗した軍人が麻薬の生産と密輸に直接関与しているあるいは、麻薬取引を行う人物を庇護しているとの報告が、信頼できる筋から継続的に寄せられている。またビルマ政府は停戦協定を結んだ少数民族ゲリラに対し、麻薬生産と密輸を削減するよう支援してはいるものの、一般的に言えば、こうした勢力に対する直接行動を取ることはなかった。こうした一般的なやり方の唯一の例外は、2000年11月、政府がモンコー防衛軍の支配地域を占領し、指導者のモンサーラーを麻薬密売容疑で逮捕したことである。米国はビルマの現在の麻薬対策に向けた努力が、国内問題の規模に見合うものだとは考えていない。

[20728頁]

 しかし米国は国連薬物統制計画(UNDCP)ならびに他の援助機関と協力を続け、アヘン生産削減と代替作物栽培の計画を支援している。米国は2000年9月に、UNDCPのワ州代替開発プロジェクトに対して約60万ドルの資金提供を行った。これはワ州連合軍(UWSA、現在ビルマで停戦状態にある最大の組織)の支配地域内でのアヘン生産の削減を目的としたものである。

ビルマでの生活の質

 域内で最も豊かになる可能性を秘めた国であるにもかかわらず、世界銀行の数字によれば、ビルマは依然として一人当たりGNP約300ドルの最貧国のままにとどまっている。ビルマは農業経済を主としているが、大量の鉱物資源、水産資源、木材資源を保有している。しかし過去40年余りの軍政による失政と経済運営の失敗、軍隊への資源配分によって、貧困の蔓延するカオス的な経済状態が現出している。

 過去6カ月間にわたって深刻化する外国為替不足は、ビルマの通貨チャットの対ドル交換レートを急激に下落させた。2000年9月に1ドル360チャットだったレートは、現在500チャットまで下落している。同時に、FEC(外国兌換券、政府がドルの代わりに流通させている貨幣)に対する市民の信用も崩壊し、対ドルの交換レートも急速に下落した。農村地帯では、政府が豊作対策として民間部門の米輸出を制限したため、米価が農民の生産コストを下回るレベルにまで下落した。しかし都市部では、この政策は生活費とインフレの抑制に貢献した。アメリカ大使館が算出した2000年9月から2001年3月の都市部小売物価指数によれば、ビルマの都市部でのインフレ率は、年率30%以上から約15%にまで下落した。

 この報告書の対象期間中も、ビルマ全土で過酷な人権侵害が続いている。ビルマ市民はビルマ軍政の恣意的で時には残忍な命令に生活を左右されている。 とくに少数民族の居住地域では、組織的な強制労働だけでなく超法規的処刑、強かん、失踪について信頼できる報告が数多く行われている。監獄の状態は劣悪なままで、恣意的な逮捕、反体制的な政治的見解の表明を理由とする拘束が日常化している。著名な政治囚のうち数名が報告対象期間中に釈放されている。イギリス人ジェイムズ・モーズレー氏は、国連の恣意的拘禁に関する作業部会が、ビルマ政府に対し、同氏の拘束が国際人権基準に違反していると指摘した直後の2000年10月に釈放されている。2001年3月現在で、1600人を超す拘束中あるいは投獄中の政治囚には、国会議員38人が含まれている。

 強制労働も依然として深刻な問題のひとつである。国際労働機関(ILO)運営委員会は2000年11月に、ビルマ政府が「広範かつ組織的に行われている」国内での強制労働に対し、効果的な対応をとらなかったと結論し、史上初めて、ILO憲章に基づき、加盟国に対してILOの労働者基準への準拠を強制する措置を取った。6月のILO総会で採択された決定に従って、2000年12月のILO事務局長は、加盟するすべての政府、労働者と従業員代表派遣団および姉妹関係にある国連組織に対し、強制労働の使用を幇助しないことを確定するため、ビルマとの関係を再検討するよう要請した。米国はこの決定を強く支持するが、ILOの要請に基づいた措置については、アウンサンスーチーと軍政の間で進行中の対話の結果が出るまで実施を見合わせる。

[20729頁]

多国間戦略の開発

 米国のビルマ政策の目的は、民主化への前進、文民政権の回復、人権状況の改善、および効果的な麻薬対策にある。米国は現在行われているアウンサンスーチーと軍事政権との対話を支持し、この対話が民主化に向けた有意義な変化をもたらすことを期待している。また現在のビルマの人権状況についての懸念を共有する諸国と高官レベルで定期的な協議を行っている。

 米国は、国連総会および国連人権委員会で毎年採択されるビルマに関する決議の共同提案国である。我々はまた、労働権の尊重義務を履行するよう、とりわけ広範に行われている強制労働の使用を停止するよう、ビルマ政府に強制したILOの前例のない決定を支持している。我々はビルマに関する国連事務総長特使でありラザリ・イスマイル氏の任務を支援する。氏はビルマの国内政治の今後についてスーチーと対話を開始するよう、軍政を説得する活動への助力を行った。

 欧州連合ならびに他の、類似はしているが同一ではない政策を履行している諸国とともに、米国は対ビルマ制裁を実施している。武器の全面的禁輸、米国によるビルマへの新規投資の全面的禁止、すべての二国間援助の停止、優先特権に関する一般システムの撤回、海外民間投資会社[Overseas Private Investment Corporation。米政府の一機関]および合衆国輸出入銀行の計画に対する不同意、ビルマ政府高官に対する旅券発給の規制、そして世界銀行、国際通貨基金、アジア開発銀行、またその他の米国が主要な出資者である国際金融機関によるすべての新規の資金貸付あるいは資金譲渡の凍結を行っている。我々はまた、大使から代理行使まで外交代表のランクを下げている。

 重要な進歩がその結果アウンサンスーチーと軍政府の間の現在の対話にあるいは、違っているにせよ、それらのゴールの方へなければならない。そして、それから、アメリカは建設的変化のこの過程を支援するためにまじめに程度を見なければならない。

 我々の制裁の目的は、民主化への前進、文民政権の回復、人権の一層の尊重にある。現在のアウンサンスーチーと軍事政権との対話によって、あるいは別の方法によって民主化に近づく重大な変化が引き起こされた場合、米国は建設的な変化を後押しする施策を真剣に検討する義務がある。

タイトル3―大統領

[27443頁]

通知、2001年5月15日
ビルマに関する非常事態の継続

 米大統領は1997年5月20日に、1997年の対外事業、輸出金融および関連計画歳出法[Foreign Operations, Export Financing, and Related Programs Appropriations Act](公法104−208)条項570(b)に基づく議会の認定を得、大統領命令13047を布告した。これはビルマ政府が1996年9月30日以降、国内の民主的な反対勢力に対する大規模な抑圧を行ったため、その条項に含まれる、米国市民によるビルマへの新規投資の禁止の発動に至ったものである。

 大統領はまた、ビルマ政府の対応と政策が米国の国家安全保障および外交政策にもたらした脅威に対処するため、国家非常事態を宣言した。これはとりわけ、国際緊急経済権力法[International Emergency Economic Powers Act](50 U.S.C. 1703(c))の権限を行使するものである。

 1997年5月20日に宣言された国家非常事態は、2001年5月20日以降も継続される必要がある。これはビルマ政府が、国内で民主的な反対勢力の大規模な抑圧を行う方針を続けており、米国の国家安全保障と外交政策を脅かしているためである。このため国家緊急事態法(50 U.S.C. 1622(d))の条項202(d)に従い、私はビルマに関する国家非常事態を継続する。この通知は官報に告知され、議会に提出される。

(大統領署名) B
ホワイトハウス、
2001年5月15日

(訳、箱田 徹)

出典:Source: US Government: Report to the Congress Regarding Conditions in Burma and U.S. Policy Toward Burma (Memorandum of April 12, 2001)





(c) ビルマ情報ネットワーク(BurmaInfo) 1997〜



(c) ビルマ情報ネットワーク(BurmaInfo) 1997〜