| ビルマ情報ネットワーク | |
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ビルマ軍政による戦時性暴力と実行者の不処罰停止を!
『強かんの許可証』(Licence to Rape)の概要タイを基盤に活動する、ビルマのシャン人権団体「シャン女性アクションネットワーク」(SWAN)と「シャン人権基金」(SHRF)は、2002年6月19日に『強かんの許可証:ビルマ軍事政権によるビルマ・シャン州での戦時性暴力の実態』を共同で発表した。 『強かんの許可証』では、ビルマ国軍部隊がビルマのシャン州で行った強かんなどの性暴力事件173件(被害に遭った少女と成人女性の人数は625人)が詳しく報告されている。事件の大部分は1996年から2002年の間に起きた。全体の83%は部隊の上官によるもので、部下の目の前で行われた場合がほとんどだ。強かんはきわめて残虐な形で行われており、殴打や手足の切断、窒息などの拷問が同時に行われていることも多い。 強かん事件のうち25%で女性が殺害されており、61%は複数の男性によるものだった。女性が拉致され、繰り返し強かんされる場合もあり、その期間は最長4カ月に及んだ。強かんした兵士の所属する部隊は52にも上る。報告書が扱った173件のうち、上官によって加害者が処罰されたのはわずか1件だった。逆に被害を訴えた側が、軍から罰金を徴収され、身柄の拘束や拷問を受けることの方がはるかに多く、命を奪われた事例すらあった。 シャン州中部では1996年以降、30万人以上の住民が強制移住によって住み慣れた土地を追われている。強かん事件の半数以上がこの地域で発生している。再定住地の外に出て食糧を探している際に捕まり、強かんされるケースも多い。ビルマ軍のためのポーター(部隊に一定期間同行し、数十キロの荷物を運ばされる労働)や不払い労働に女性が強制的に徴用されたとき、あるいは軍の検問所で停止させられたときに強かんされたケースもあった。 『強かんの許可証』でのSWANの主張
国際社会の反応『強かんの許可証』の刊行は世界各地のマスコミの大きな関心を集めた。この問題に関心を持つ世界中の個人やネットワークが、SWANのキャンペーンを東南アジアと世界に届けるため多大な努力を傾けている。 2002年9月5日:タイ国内の93の女性団体はタイのタクシン首相に要望書を提出した。要望書は政府に対し、ビルマ政府に政治改革を促すための圧力を加えることとともに、ビルマの平和と民主主義の回復を目指して活動する人々、特に『強かんの許可証』を作成したSWANとSHRFの安全を確保するよう求めた。 同日:タイを拠点とする諸団体が「シャン州での強かんと実行者の不処罰の停止」を訴えるオンライン署名運動を開始した(http://www.petitiononline.com/Forumasi/petition.html)。 2002年9月17日:米国の上院議員32人が国連のアナン事務総長に書簡を送り、国連として『強かんの許可証』の内容を調査するよう求めた。 2002年11月:米国国務省は、『強かんの許可証』が扱った性暴力問題を調査するため、タイ・ビルマ国境に派遣した独自の事実調査団による詳細な報告を発表した。調査結果はビルマ軍が少数民族への強かんをいまだ大規模に行っていることを裏付けた。 2002年12月17日:米国国務省は改めて次のような声明を発表した。「米国政府は、ビルマ軍がビルマの民族州に住む民間人への強かんを戦争の武器に用いているとの報告に衝撃を受けている」 ビルマの人権状況に関する国連特別報告官は、2002年と2003年の国連総会への特別報告でこの問題を連続して取り上げている。 さらに国連総会のビルマの人権状況に関する2002年と2003年の決議では、シャン州を始めとする民族州でビルマ軍兵士が行った、民間人への強かんやその他の人権侵害が取り上げられている。 ビルマ政府の反応ビルマ軍事政権は現在に至るまで、自軍の兵士が性犯罪を行っていることを否認し続けている。ビルマ政府は、国連機関、赤十字国際委員会(ICRC)やその他の国際NGOがシャン州内で活動していることを持ち出して、性暴力などの人権侵害が一切存在しないことの証拠だと言い張りさえする。だが人権状況を監視する国際組織の活動が許可されてきたシャン州内の限られた地域ですら、住民は生命に危険が及ぶのを恐れて口をつぐんでしまうのである。 これがビルマを今日も支配する軍政の真の、残虐な素顔である。軍政は国際会議の場で、自分たちは全土に平和をもたらし、民主主義を目指す改革に成果を上げていると主張する。軍政はこうした言い方をすることで、国際社会に援助や投資を求めているのだ。 国際社会からの圧力を受けたビルマ政府は、2002年8月に『強かんの許可証』に関する調査を行った。シャン州の中部から南部にかけて住む人々が、自分たちの地域ではビルマ兵による性暴力は一切起きていないとの宣誓書に強制的に署名させられた。またそうした宣誓を支持する「示威行動」を行うよう命じられた地域もあった。調査中に報告された性暴力事件の情報は政府の手でもみ消された(詳細は次を参照、 http://www.shanland.org/HR/Publication/A_mockery.htm)。 調査を終えたビルマ政府は『強かんの許可証』の主張が「虚偽とでっち上げ」との声明を発表した。 このような「調査」は、性暴力に苦しめられた女性の痛みをさらに深めることにしかならない。女性たちは強かんされたことに加え、嘘つき呼ばわりされることになったのだ。 SWANはこうしたビルマ政府の「調査」結果が誤まりだと断言する。軍事独裁政権下のビルマでは、法の支配も政府機関への信頼もない。コミュニティで絶対的な力を持つ犯罪者に歯向かう証言をあえてする人はいない。ビルマ軍は『強かんの許可証』を発行し続けているのだ。 私たちの報告書の内容に反論するために軍政が打った次の手は、人権状況を監視する国際組織をシャン州に招くことだった。2002年10月には、人権状況の定期調査に訪れた国連のビルマの人権状況に関する特別報告官ピネイロ教授をシャン州へ招いた。予定されていた訪問の前には軍の職員が現地に派遣され、シャン人の強かんのサバイバーの所在を突き止め、脅迫を行っている。だが実際にはピネイロ氏のシャン州訪問は実現しなかった。 そして2002年12月には、赤十字国際委員会に対して、多数の強かん事件が発生しているシャン州南部の紛争地帯への訪問を許可した。ここでもまた住民は、訪問の前後に軍の人間から脅迫を受けている。軍政は12月以降もICRCにこの地域の訪問を許可しているが、訪問のたびに似たような脅迫が行われている。 2003年には、世界のマスコミがビルマ国内での性暴力の問題を定期的に扱ったため、軍政側も『強かんの許可証』を定期的に取り上げ、著者側への中傷を続けた。2003年の第58回国連総会の会期中に、軍政報道官のチョーウィン博士はビルマの人権状況に関する特別報告官の報告書に対して次のような声明を発表した。「私たちは、特別報告官はシャン女性アクションネットワークやシャン人権基金などのいわゆる人権団体と注意深く接するべきだと考える。こうした組織は自分たちが裁判官兼陪審員兼執行人であるかのように行動しているからだ。」 2002年に『強かんの許可証』が発行されてから、軍政は繰り返しその内容を否定してきた。軍政側は性暴力に関する報告や情報の流出を防ごうとしているが、SWANにはシャン州内部から今も情報が寄せられている。 SWANでは、報告書作成以後に発生した、ビルマ軍兵士によるシャン州内での女性と少女の強かん事件についての記録を行っている。 SWANはシャン州内での性暴力などの様々な虐待行為という問題を解決するためには、ビルマ軍による地域の軍事化の進行と反政府ゲリラ掃討作戦が中止されなければならないと考えます。ビルマの諸民族が抱える問題には政治的な解決策が必要です。こうした暴力にさらされている女性たちへの保護を守るため、また暴力に終止符を打とうとする私たちの活動を支えるため、今すぐ行動してください!
『強かんの許可証』(Licence to Rape) オンライン版URL:
詳しい情報は下記連絡先まで: (訳、箱田徹) |
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(c) ビルマ情報ネットワーク(BurmaInfo) 1997〜年
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