Date: Thu, 2 Nov 2000 16:27:04 -0500
From: Sayuri Miyazaki (ujeac@igc.org)
Subject:スズキ/ビルマ問題最新情報(2)

ビルマ民主化運動を支援する皆様へ

スズキ国際行動の日(2000年10月14日)に、「進出企業問題を考える会」と「日本消  
費者連盟」によってスズキ本社に出された質問状とそれに対するスズキからの回答書  
は、既に皆様の元へ最新情報として配信してあります。

今回皆様に配信させていただく最新情報は、現在自由ビルマ連合(FBC)のウェブサ  
イトhttp://www.freeburmacoalition.org 上で公開されているFBCによるスズキの  
回答書の分析報告です。

スズキの回答に対して鋭く追求・検討する自由ビルマ連合の姿勢は、キャンペーンを  
進める側に必須のものであり、英語のキャンペーンの本意が「一連の軍事行動」であ  
る、ということをあらためて私たちに思い起こさせてくれます。米国におけるNGO  
の活動の一部を知っていただくためにも、多くの方々に読んでいただければと思って  
います。

また、ウェブサイト上ではミャンマー自動車・ディーゼルエンジン工業公団(MAD  
I)と第二工業省の住所と電話番号が掲載されたミャンマーの電話帳の職業別ページ  
が公開されています。それによるとどちらも同じ住所であり、同一建物内で仕事をし  
ていることがわかります。興味のある方は是非御覧下さい。

*****FBCによるスズキ回答書分析****

2000年10月20日
進出企業問題を考える会
事務局長 佐久間 真一 殿
日本消費者連盟
事務局長 水原 博子 殿
              スズキ株式会社
             専務取締役 管理本部長
                山内 啓司

   ミャンマーでの事業について

当社のミャンマーでの事業に関してお問い合わせいただきました件につきまして、ご  
連絡申し上げます。

1. のご質問への回答
<スズキの回答>Myanmar  Suzuki  Motor  Co.,Ltd.の概要
設立年月日  1998年11月16日
資本金    6700千米ドル
出資比率   スズキ:60%  トーメン:5%
       SPA:5%    MADI:30%
事業内容   当社2・4輪車の生産・販売
役員     8名
従業員数   50名
日本からの派遣社員数 3名
※ SPA:Serge Pun & Associates(Myanmar)Ltd.
   MADI:Myanmar Automobile & Diesel Engine Industries

●【FBCの分析】これはすべて正しい回答です。スズキ側がこの回答の中で書かな  
かったことは、不十分な事業経営によりビルマ工場での生産台数が一日2台であるこ  
とでしょう。それによってなぜスズキがビルマで事業を続けているか、さらに疑問は  
深まります。さらにスズキ側は、日産の車が軍用車に転用されて民主化を求めるデモ  
の鎮圧に使われた事も言及していません。

2. のご質問への回答
<スズキの回答>当社の合弁パートナーは、第二工業省ではなく、ミャンマー自動車  
・ディーゼルエンジン工業公団(MADI)です。

●【FBCの分析】事実関係を誇張すれば、少なくともスズキの合弁パートナーがM  
ADIであると言えますが、スズキ側がこの一文で主張したかった事はまぎれもない  
うそです。スズキ側は自社の合弁相手をソウ・ルインではなくミャンマー自動車・デ  
ィーゼルエンジン工業公団(MADI)であると言っています。しかし、MADIは  
たんに第二工業省の一部であり、それはちょうど米国内においてエネルギー省が米国  
政府の一部であるのとちょうど同じことです。さらに、実際にスズキは非人道的なソ  
ウ・ルインを自社の日本工場の見学ツアーに招いています。これはミャンマー国内の  
新聞で報道されました。

<スズキの回答>自由ビルマ連合(Free Burma Coalition)のキャンペーンにつきま  
して特にコメントはございません。

●【FBCの分析】スズキ側が私たちのキャンペーンに対してコメントがない、とい  
うのは正しいかもしれませんが、米国内のスズキ販売店は確かにキャンペーンによる  
威圧と緊張を感じています。幾つかのスズキ販売店は私たちのボイコット・キャンペ  
ーンへのフラストレーションを表わしてきています。また米国のスズキ本社は全ての  
販売店に対して、抗議行動参加者と話しをしないといった事などが書かれた注意メモ  
を送っています。さらにまた販売店のなかには抗議に対抗するための看板を購入して  
いるところもあります。ワシントンDCの境界をちょっと越えたメリーランド州ウィ  
トンにあるフィッツジェラルド自動車販売店は、幾つかの看板を購入しており、それ  
らには最初「フィッツジェラルドは民主主義と人材(Human Resources)を擁護しま  
す」と書いてありました。販売店側が看板の言葉が間違っていることに気づいて、そ  
の後は「フィッツジェラルドは民主主義と人権(Human Rights)を擁護します」と看  
板が書きかえられました。多分看板の購入に数百ドルの費用がかかったものと思われ  
ます。

3. および4.のご質問への回答
<スズキの回答>ミャンマーはASEANに加盟している国際社会に認知されている国で  
あり、当社の投資は全く合法的なものです。

●【FBCの分析】この主張にまちがいはありません。まさしくヒットラーの支配下  
にあったドイツでさえも正当な国家として認められていたように、ミャンマーはAS  
EANによって承認されている国です。承認はその国の正当性を授けるものではなく  
、また国家として承認されたということが、世界でもっとも非人道的な軍事政府の一  
つであるビルマ軍事政権の活動資金を産むことが正しいことである、という言い訳に  
はなりません。確かに、国際法はスズキがビルマへ投資することを禁止してはいませ  
ん。しかし、少数派民族の抹殺、民主化運動の活動家の殺害、拷問、政府が保証する  
強姦、および横暴な投獄を含む人道に反する残虐な罪を犯している軍事政権の支援は  
、せいぜいよくても抑制が可能なものであり、最悪の状態では全く道徳的に破綻を来  
すものです。

<スズキの回答>同国の交通事情からみて、安価な交通手段を提供することは、同国  
の経済発展、国民の生活水準の向上に繋がるものと考えています。この意味で、当社  
は人道的立場から投資を決定していると考えています。

●【FBCの分析】ここでスズキ側は、どういうわけか交通量の増加が人々の暮らし  
をよくする、ということを暗にほのめかして、ビルマの交通量は少ししかないので、  
車の生産が生活水準を向上させるであろうと主張しています。この主張は、反対に、  
現在の軍事政権を保持させているものは全てビルマの経済成長に害を与えているとい  
う真実からさらに進むことはないでしょう。学生による抗議行動を恐れて1990年から  
大学を合計して30ヶ月しか開いていない政府は、明らかにその国の経済をうまく管理  
運営する能力がありません。ビルマ軍事政権は仕事を人々に提供することに関心があ  
るのではなく、権力を維持することに関心があるのです。同政権が外貨獲得のための  
輸出に見合うエビの生産に、労働を強制させられ抵当に入れられた子どもを従事させ  
ているように、支配的なビルマ軍事政権はその統制力を維持するためには何事も躊躇  
せず思い切ってやるでしょう。

(以上)


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