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2008年5月10日 国民投票にかかわるビルマ国内情勢

米国ビルマ・キャンペーンのアップデートを元にビルマ情報ネットワークがまとめました。

2008年5月11日
一部更新

国民投票

 ビルマでは2008年5月10日、ラングーン管区・イラワジ管区内の合わせて47の郡を除いた全域で国民投票が行われた。投票はほとんどが学校や公民館で行われた。投票率はきわめて低く、1990年の総選挙の際と異なり、国民の関心は薄いようだ。有権者のうち約25%しか投票に行かなかった地域もあった。

 10日に投票が行われなかったラングーン管区・イラワジ管区内の47郡では2週間後の5月24日に投票が行われる。

 軍政は国民投票委員会のほかに保安隊、警察、連邦連帯発展協会(USDA)、スワンアーシン、消防隊、赤十字、ミャンマー女性問題協会(MWAF)、地元当局などを動員して「賛成票」の組織化を図った。投票所には賛成を呼びかけるポスターを貼り、投票者に直接賛成を求めた。投票所が午後1〜2時に閉まったところもある。

 国民民主連盟(NLD)の中央執行委員会や88世代学生グループ、全ビルマ僧侶連盟(ABMU)、全ビルマ学生会連合(ABFSU)、ジェネレーション・ウェーブなどは反対投票を呼びかけ、投票所の監視をしようとした。NLD中央執行委員会のソーミン氏と、NLDラングーン管区支部の共同書記長であるミョーアウン氏はラングーン管区のフレーグー、タイッヂー、フモービ郡の投票所に行って視察しようとしたが、警察に止められてラングーン市内に戻るよう指示された。NLDは当局による不正行為についての報告を集めている。

マンダレー管区

 マンダレー管区マハーアウンミー郡タブットモー西の390および391地区では、投票そのものが認められなかった。

 チョーパダウン郡では、当局が多くの世帯から事前に投票用紙を集めていた。世帯主が世帯構成員全員分の投票をするように頼まれた例もあり、これらの票はすべて「賛成票」とされた。パコックでは反対票を入れた投票者が多かったとのこと。

 ピーヂーダグンでは、約20の投票所を教師が運営し、これらの教師が賛成投票を強制した。家族全員やほかの人の分までも投票を認められた所もあった。

 タウンター郡ザジャンカンマイ村では投票所にボールペンがなく、住民がボールペンをくれと頼むとスタッフが投票ブースに入ってきて投票用紙に賛成の印をつけた。

 マハーアウンメイ郡では比較的自由、公正に投票が行われた。

 メイッティーラ郡では当局を恐れて賛成票を入れた人が多かったとのこと。

 イェナンチャウン郡の一部での開票結果は以下の通り

賛成

反対

無効

工業団地

425

254

7

ゾンタイ

407

881

17

ティッタプウェ

703

277

11

シュエタウンゴン

354

472

137

ユワティッ第一

579

560

41

ユワティッ第二

320

547

41

ユワティッ第三

362

373

143

ミャヌンラ

71

538

37

イラワジ管区

 サイクロンの被害地域にあるチョーンピョー郡では、当局が投票日の2日前から拡声器を使って「反対投票をした者は3年の禁固刑と10万チャットの罰金刑を受ける」と宣伝して回った。

 西パテインでは、当局からの脅しなどにもかかわらず多くの投票者が反対票を投じたという。

カレン州

 パアン郡では投票所にあるはずのボールペンや鉛筆がなかった。当局に書くものをくれと頼むのを怖がった投票者の多くは投票用紙に何も書かずに投票した。これらの投票用紙は賛成票か無効として数えられるものと思われる。

 投票所に行ってみると、自分の名前が既に「投票済み」と記録されていた、という人も多かった。タイ国境近くのミャワディでは、治安隊、警察、連邦連帯発展協会(USDA)やスワンアーシン会員が見ている所で投票をしなければならなかった。

チン州

 パレワ郡では国民投票の2日前に、国民投票に反対するポスターやパンフレットを配ったとして民主化活動家4人が逮捕された。4人はコーテイ、フラトゥンアウン、アウンベー、フエラン各氏。

シャン州

 ビルマ国軍の連隊駐屯地があるラショー郡では、賛成92%、反対3%、無効5%だったと当局が発表した。

 同じくビルマ国軍部隊が駐屯するマインヤウン郡では、有権者1831人のうち、1762人が賛成、86人が反対し、無効票が6票あったと発表された。

バゴー(ペグー)管区

 カワ郡では、全投票所に賛成票を呼びかけるポスターが張り出された。投票所に詰めている関係者も賛成票を入れるように投票者に直接要請した。

 タヤワディ郡では、全投票所が午前11時に閉鎖された。当局は事前に全住民の身分証明書と銀行通帳を押収していた。投票所に来て賛成投票を入れた人にだけ返却された。

 ミンフラ郡では投票所が所定の午後4時ではなく午後2時に閉鎖された。投票所の多くで、国民投票運営委員が直接投票者に賛成投票を強要した。また、連邦連帯発展協会(USDA)、スワンアーシン、消防隊、ミャンマー女性問題協会の会員が投票者を歓迎し、食べ物や飲み物を出して賛成投票を呼びかけた投票所もあった。

 412人が投票した投票所では、投票所のスタッフが票を数えるのにあたり、委員3人のほかに住民10人が立ち会った。数え始めて最初の5分では、賛成票15、反対票37、無効1だった。するとスタッフは票を数えるのを中断し、住民に投票所から出るように求めた。同様のことがパウンテー、ナッタリン、ヂョービンガウ、ジーゴン郡などでも起きた。また、投票所が指定時間よりも早く閉鎖されたために投票できなかった人も多かった。

 ジーゴン郡第五区ではミャンマー女性問題協会の会員が投票ブースにまで入ってきて、賛成投票を強要した。全投票所に武器を持った治安隊が詰めていた。

ザガイン管区

 モンユワでは、当局が町中で期日前投票を呼びかけた結果、有権者の約半数が期日前に投票した。期日前投票は当局関係者の目の前で印をつけなければならなかったので、賛成票ばかりだった。 投票所での開票に国民民主連盟(NLD)党員が立ち会ったところもあった。中央区では、賛成290、反対491だった。スーレーゴン区では賛成260、反対228だった。

 シュエボー郡では住民の関心が薄かった。国民投票の2日前に当局がすべての家を回り、期日前投票をするよう求めた。期日前投票を拒み、自分で投票所に行って反対票を入れた人も多かった。

 タムー郡では当局を恐れて、また反対票を入れたところでどうしようもないと思って、賛成票を入れた人が多かったとのこと。

カチン州

 モーガウン郡とモーニン郡では賛成投票を入れさせるための脅迫行為などがなかったため、多くの投票者が反対票を入れたと報告されている。

 ミッチーナ郡では国民投票前日に当局が、表に賛成の印がつき、裏に名前と住所を書く欄の入った投票用紙を配り、翌日(10日)に投票所に来てその用紙を投票箱に入れろと要請した地域もあった。国民投票当日には30か所以上の投票所があったが、全投票所に治安隊や警察官がいて、投票の様子を写真やビデオで撮影した。このため投票に来た人たちは不快感を味わい、おびえた。賛成票を投じるように当局が住民を脅したところもあった。

 バモー郡バンカーゴン村では、村長が投票ブースに入ってきて住民に賛成投票するよう求めた。また、事前に「反対したら7年の禁固刑を受ける」と言い渡されていた。さらに、当局は住民に「誰が反対したかは簡単にわかる」とも告げていた。

 ワインモー郡の7つの村の開票結果は賛成1643、反対3106、無効78だった。

ラングーン管区

 フモービ、タイッヂー、フレーグー、ミンガラドン、フタウジャン各郡で投票が行われた。サイクロンによる被害が比較的小さかった地域とはいえ、家などの修理に追われて投票に行かなかった人も多かった。フモービ郡やミンガラドン郡には国軍の駐屯地があり、兵士の家族は期日前投票を求められていた。また、投票所に行ってみたら自分の名前が「投票済み」となっていたという人もいた。

 フモービでは、投票所スタッフが高齢者などの賛成票を入れる手伝いをした。また、関係者がいるところで賛成の印をつけるように言われた人も多かった。当局は投票に先立って夜間に拡声器で賛成投票を呼びかけてまわった。

アラカン(ヤカイン)州

 タウンゴッ郡では開票時に住民が投票所から追い出された。開票を見たがった住民に対し、警察署長が「この場を離れなければ逮捕する」と怒鳴った。

 またタウンゴッ郡チャウンガウ区第二投票所では、大多数の住民が反対票を入れたと見られたが、当局が反対票の大部分を「無効」として数えた。

マグエー管区

 イエナンチャウンでは、脅迫や妨害行動があったが、投票者の大半が反対票を投じた。

 サリン郡では5月8日に国民民主連盟(NLD)党員3人が逮捕された。NLDが出した声明を配っていたところだった。

出典:US Campaign for Burma, Situation in Burma, Update May 10, 2008; Situation in Burma, Referendum Follow Up, May 11, 2008.





(c) ビルマ情報ネットワーク(BurmaInfo) 1997〜



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