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ミャンマーを促すASEAN人権問題に進展ない軍政を批判
インターナショナル・ヘラルド・トリビューン シンガポールはミャンマーの軍政幹部に対し、約束通り政治改革を進めないのなら、ASEAN(東南アジア諸国連合)の議長国就任を辞退するよう慎重に促した。シンガポールが働きかけた動機の一つには、ミャンマーが辞退しなければASEAN関連の会合をボイコットするべきだという声が米国内で高まっていることがある。 シンガポールのリー・シェンロン首相は30日に行われたミャンマー軍政のタンシュエ議長、ソーウィン首相との会談でこの意向を伝えた。リー首相の報道官はミャンマー国内の政治状況の改善と民主化問題はミャンマー政府のみが決定できる事項だとしながら、「諸国が相互依存関係にある以上、一加盟国の動静がASEAN全体に影響をもたらしうる」というリー首相の談話を発表した。 ミャンマーが2006年にASEAN議長国になる予定であることにはシンガポールのほか、既に東南アジアの数カ国が懸念を表明している。特にマレーシアはミャンマーが民主的改革を行わないまま議長国になるのにはっきりと反対を表明している。 リー首相の発言は、互いの内政に干渉しないというASEANの慣例を支持しながらも、加盟国は自国の行動が他の加盟国に及ぼす影響に責任を持つべきだとの立場を強調するものだ。 ASEAN内には、孤立するミャンマー軍政をかばい続ければ、米国やEUなど主要な「対話国」との間でASEANが築いてきた評判や信用性が傷つく恐れがあるとの懸念が大きくなっている。リー首相の発言はこの懸念の表れでもある。 ASEANは長年ミャンマーに対し「建設的関与」政策を採ってきた。加盟国の国内改革という扱いにくい問題は、あからさまに圧力をかけるよりも水面下の外交で対処した方が良いというわけだ。しかし国民参加型の政治制度を表向きだけでも回復しようという気すら見せないミャンマー軍政に愛想を尽かし始めている。 ASEAN議長国は通常、国名のアルファベット順に1年ごとに持ち回る。ミャンマーは来年夏に議長国になる予定だ。しかし1997年にミャンマーのASEAN加盟を積極的に支持したマレーシアでは、国会議員がASEANに対し、民主化に向けた改革に進展がなければミャンマーを議長国にしないよう求める動議を提出した。マレーシア政府関係者らは、一連の改革には、この23カ月間自宅軟禁下にある民主化勢力指導者のアウンサンスーチー氏の解放が含まれるべきだと述べた。 この問題は4月10日にフィリピンのセブで行われるASEAN外相非公式会合の際に取り上げられる。ASEAN関係者は3月31日、この会合でミャンマーは国際社会の納得が得られるような政治改革を実施するか、自主的に議長国就任を辞退するかを迫られるだろうと述べた。 セブでの会合で各国外相はASEANが表面上ではまとまっているように見せようとするだろう。しかしミャンマー問題は普段は結束の強いASEANの団結力を弱める勢いだ。カンボジアはミャンマーの議長国就任を阻む動きすべてに反対すると表明し、ASEANの古参国と、ミャンマーと同時に加盟したカンボジア、ラオス、ベトナムなどとの意見の相違が明らかになった[訳注1]。ASEANの設立当時からの加盟国であり、ミャンマーと経済面で深いつながりのあるタイは議長国就任反対の動きに加わっていないが、新しく就任したカンタティ外相は「ミャンマーは他国からの警告に留意しなければならない」と述べた。 米国の国会議員や国務省からはミャンマーに対する強い非難が出ており、ASEAN各国はミャンマー問題を放置すれば米国から報復を受けることに疑いの余地はないことを承知している。マコーネル上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)は、ミャンマーの人権状況は「まったくひどい」ものであり、同国が議長国になるのは「ASEANにとって非常な不名誉となることを意味する」と述べた[訳注2]。 マコーネル議員は「米国、EU、そして民主主義諸国はASEAN関連の会議や行事すべてをボイコットするべきだ」と強く訴えた。(訳、秋元由紀) 訳注: 出典: "Asia voices concern on Myanmar," International Herald Tribune, 1 April 2005 |
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