| ビルマ情報ネットワーク | |
|
|
|
|
ビルマをめぐる好機ワシントン・ポスト紙社説 世界中の独裁国家で民主主義を促進させようとする者が直面する難関の一つに、協力する相手としての平和的な反体制勢力がその国に存在しない場合が多いことがある。 イラクでは、国外に逃げた者が帰国したらどのような取り扱いを受けるのかがはっきりしないし、国内ではサダム・フセインの秘密警察が市民社会の芽生えを片端から抑えこんでいる。北朝鮮の国民は服従や餓死するまで痛めつけられる。「悪の三枢軸」の三つ目の国イランには活発な反政府勢力があるにはあるが、同国に関して複雑な過去を持つ米国は、反政府勢力を支援するには非常に神経を使わなければならない。 上のような事情に鑑みると、諸独裁国家の中でビルマは例外としてかなり貴重であることがわかる。ビルマは人口5千万人近く、資源に富み、豊かな国家となる可能性を秘めているが、同国の独裁的な軍事政権(国名をミャンマーとしている)はブッシュ大統領の三枢軸に含まれてもおかしくない。軍政の幹部は私腹を肥やし、麻薬王たちを保護し、自由を求めて平和的に意思表示した人たち千人以上を投獄している。ところが驚くべきことに、そんなビルマで民主化勢力が生き延びているのである。アウンサンスーチー氏の率いる国民民主連盟(NLD)は、独裁国家では珍しく合法な政党として認められている。これは1990年の選挙で圧倒的な勝利を収めたからである。自分たちの人気を大幅に過大評価していた軍政はこの選挙結果を無効とした。アウンサンスーチー氏はここ十数年のほとんどの間自宅軟禁されていたが、地方に旅する際に同氏を見に集まったと報道される群衆の大きさから判断するに、今でも非常に尊敬され人気がある。NLDがどんな形でも新聞を発行することを禁じられており、軍政の支配するメディアは同氏の旅行について一切報じないにもかかわらず、である。 ブッシュ政権はこのように稀な状況を見て、民主主義を広めるチャンスだと飛びつきそうなものだ。実際、ビルマの民主化勢力を支援しようとする米政府関係者もいる。しかし他方で、軍政幹部たちと仲良くする誘惑にかられる者もいるのは不可解だ。最近では、麻薬取締りに関して軍政との協力を強めようとする、誤った方向への動きがあった(注1)。米国議会上院歳出委員会の外交小委員会委員長に就任の決まっているミッチ・マコーネル上院議員(ケンタッキー州・共和党)からの圧力もあって、この動きは何とか中止に追い込まれた。もっと最近では、駐ビルマ米国代表部の最高位にある者が軍政の御用新聞のインタビューに応じ、明るい調子の談話が同紙に掲載された(注2)。彼女は一体何を考えていたのだろう? 国連のアナン事務総長などからの圧力の下、軍政は2002年5月6日に、ノーベル平和賞受賞者(1991年)であるアウンサンスーチー氏を自宅軟禁から解放し、NLDと対話を始めると約束した。しかし対話は始まっておらず、むしろ事態は逆の悪い方向に進んでいるようである。最近ある地方都市で、アウンサンスーチー氏の演説を聞きに集まった2万人の群衆が消防車からの放水によって脅された。アウンサンスーチー氏は消防車によじ登ってそのような権利の濫用を止めさせた後、群衆に呼びかけて静かに解散させた(注3)。ブッシュ大統領は、対話が始まらなければならないことを明確に伝えるべきである。ビルマからの輸入禁止措置(注4)など、大統領が使える手段は多い。米国が非暴力の民主主義者を支持することを示すのに、これほどの好機はなかなかないだろう。(訳:秋元由紀) 注1: 注2: 注3: 注4: *1月6日にボストン・グローブ紙もワシントン・ポスト紙と同様の趣旨の社説を掲載した('Misplaced Trust in Burma', Boston Globe, 6th January, 2003.)。 出典:'An Opportunity in Burma', Editorial, Washington Post, 27th December, 2002. |
|
(c) ビルマ情報ネットワーク(BurmaInfo) 1997〜年
|
|
(c) ビルマ情報ネットワーク(BurmaInfo) 1997〜年 |