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イベントレポート 2009年

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ビルマ民主化実現に向けた国際シンポジウム 『シュエゴンダイン宣言 - ビルマ連邦国における国民和解への道』
2009年11月23日 総評会館2階大会議室 10:00~16:20

ビルマ国民民主連盟(解放地域)日本支部がシンポジウム「ビルマ連邦国における国民和解への道」を主催しました。400人以上が参加し、大盛況でした。ゲストには「ミャンマーの民主化を支援する議員連盟」の末松義規会長、今野東事務局長のほか、福島瑞穂大臣、福山外務副大臣、ビルマ連邦国民連合政府(NCGUB=ビルマの亡命政権)の代表など。

ビルマ情報ネットワークからは秋元由紀が参加し、以下のあいさつをしました。

 ビルマ情報ネットワーク、ディレクターの秋元由紀でございます。今日は、来年予定の総選挙についての重要なシンポジウムでこうしてごあいさつする機会をいただき、大変光栄に思っております。

 ビルマ情報ネットワークは、ビルマ(ミャンマー)の民主化問題に関する情報提供・調査・提言を行う団体です。その前身を含めると1997年から活動を始め、もうすぐ13年がたちます。

 13年前、私たちは、ビルマに関する情報、特に人権・民主化問題や社会・経済問題、環境・開発問題に関する資料には外国語で書かれたものも多く、日本人の一般市民にはアクセスしにくくなっている状況に注目し、こうした情報を日本語に翻訳するという活動から始めました。例えば、その日の主なニュースの見出しを一覧にした「きょうのビルマのニュース」や、その週のビルマ関係のニュースを1ページにまとめた「今週のビルマのニュース」といったプロダクトを無料で提供しています。現在、メールマガジン登録者だけでも900人を超え、日本でビルマ問題に関心を持つ方々の役に少しは立っているかなという手ごたえを感じております。

 今日のシンポジウムにも参加していらっしゃいますが、世界にはビルマ民主化を支援する活動をしている団体がたくさんあります。ビルマ情報ネットワークは、ビルマについてのニュースや資料を日本語で提供するほかに、ビルマの近隣国やヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなどを拠点にするビルマ民主化支援団体と協力関係にあります。私たちは、それらの団体と日々連絡を取り、ビルマに自由をもたらすために日本の市民、そして日本の政府がどのような立場を取り、行動するのがよいのかについて常に考え、情報収集し、それを日本の政策立案者の方々にフィードバックするような作業もしています。

 日本では、ビルマ(ミャンマー)というとアウンサンスーチーさんの動向や、最近では来年の総選挙がどのように行われるのか、といった政治面に注目がまずいきます。日本政府には、ビルマの民主化実現に向けて単独で何とかしようとするのではなく、アメリカやアセアンと連携して動いてほしいと思います。アメリカが、軍政との直接対話を政策に取り入れましたが、これは米国単独での制裁だけでは民主化につながらなかったと観察したことが理由です。他方、日本は積極的な制裁を科さず、軍政との対話を続けてきましたが、こちらも民主化にはつながっていません。ですから、日本の私たちはアメリカの政策転換を見て、「アメリカが日本のアプローチに近づいた」とか、「積極的な制裁をしなかった日本が正しかった」という評価をするのではなく、各国が連携を取らずにちぐはぐな対応をしている限りはビルマの民主化につなげていくことができないことをはっきり認識しなければいけません。

 先日、私はジョージ・ソロスさんの財団、オープン・ソサエティ・インスティテュートのシニア・アドバイザーで、ビルマ問題も担当しているモートン・ハルペリン博士と、日米のビルマ政策について話し合う機会を持ちました。ハルペリン博士は、ジョンソン、ニクソン、クリントンという3人の大統領のアドバイザーなどを務めた、アメリカ政治の大ベテランの方です。ハルペリン博士は、今後日米アセアンは連携し、ビルマ軍事政権に対して共通の条件を提示すればいいのではないか、とおっしゃっていました。つまり、例えば総選挙についても日米、そしてできればアセアンが同じ条件を提示し、アメリカは「この条件を満たせば制裁を解除する」といい、日本は「この条件を満たせば援助を拡大する」などとする。こうすれば両国の制裁も対話も無駄にならず、互いに有効に活用される可能性が高くなります。大変的確な、すばらしい提言だと思います。

 さて、私たちがこうして会議をしている東京も、大分寒くなってきました。ビルマでは、これから雨の降らない乾季に入ります。先月末、タイ・ビルマ国境地帯でビルマ難民や国内避難民への援助活動を行う人道団体、タイ・ビルマ国境支援協会が衝撃的な内容のプレスリリースを出しました。このプレスリリースによれば、ビルマの東部、タイと国境を接する地域では、1996年以来毎年、乾季を中心にビルマ国軍が一般市民の住む村や集落を攻撃しており、これまでに3500の村や集落が破壊されました。そして、ビルマ東部地域では、この1年だけでも7万5000人が家を追われ、国内避難民が50万人以上もいる状態だということです。そしてこのほか、タイ側にある難民キャンプには現在、約13万人が暮らしています。

 実は2008年8月に、参議院ODA調査派遣という、公式の視察旅行で、参議院議員の方々がタイ・ビルマ国境にあるビルマ難民キャンプを訪れました。このとき、ビルマ情報ネットワークから私も同行したのですが、実際にキャンプを訪れて、ビルマから逃げてきた人たちの話を聞いたことが議員の皆さんの印象に強く残ったようで、視察の後に出された公式報告書では、ビルマ難民への支援強化を求めています。

 ビルマでの総選挙の直前となる今度の乾季に、新たな攻撃によってさらに多くの難民や国内避難民が出る恐れがあります。先ほどのタイ・ビルマ国境支援協会(TBBC)は、ビルマ東部のこの状態は、スーダンのダルフールの状況にも匹敵すると述べて、注意を喚起しています。日本政府には、政治面の動きを追うだけでなく、こうした国境地帯の惨状にも目を向け、難民や国内避難民への積極的な援助を検討してほしいと思います。

 私たちビルマ情報ネットワークは、日々の活動をしながら、ビルマの平和と自由を願う人々の思いが非常に強いことをいつも感じています。これからも、そのような人々の声を届けるべきところに届けるよう、そして日本の私たちがそのような声に応えられるように、作業・活動を続けていきたいと思っています。これからも一緒にがんばっていきましょう。

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