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グレニス・キノック

労働党(ウェールズ選出)

 

ラミー・コミッショナー

欧州委員会一般貿易理事

Rue de la Loi 200

B-1049 Brussels

 

2002年4月9日

参照番号jl/mail/l/lamy9

 

 

私は、長年にわたってビルマの進展、とりわけ強制労働問題に関して、密接に関わってきました。そうした経緯から、私はWTO(世界貿易機構)に対し、下記内容が重要であることをご理解の上、適切な回答を下さることを求めます。

ILO(国際労働機関)は、1998年7月2日の報告、「ミャンマー(ビルマ)の強制労働」の中で、同国政府当局によって「強制労働の広範な使用」が行われている実質的な証拠があると発表しました。同報告はさらに、ビルマ政府職員は「民間人を無給の強制労働者および使用人としての、無制限の供給源」として扱っていると報告しています。またILOは、「政府、軍および行政は、人権の存在を忘却しているようであり、処分されることなく人権侵害を継続している」との結論を出しています。

その後のILOによる調査でも、広範囲にわたる強制労働が継続されていることが確認されました。2000年11月30日には、ILOは加盟国に対しビルマとの関係を見直すように依頼するという、前例のない措置を採りました。これは、ビルマが強制労働の使用を固定、もしくは拡大できないようにするための、適切な措置であります。

2000年12月8日には、同様の要請文書がILO事務局長からWTOに送付されました。しかし、残念なことにWTOは、現在までに、この要請への明確な対応をしていません。

1年後の2001年9月と10月、ILOハイレベルチームがビルマを訪問したところ、強制労働がいまだ存在していることが確認されました。ハイレベルチームは「強制労働の根絶」はビルマにとっての「基本的道徳であり法律的義務」であると結論づけました[1]

2002年2月26日にILOは、ビルマ軍事政権は「軍による強制労働の停止を事実上妨げるための国際的な努力を行っている」と報告しました

さらに軍事政権は、ILOの代表に対し、ノーベル平和賞受賞者であり、ビルマの合法的に選出された国民民主連盟のリーダーであるアウンサンスーチーと面会する機会を与えませんでした。

2002年3月4日、米国務省は「人権状況カントリー・レポート」を発表しました。この報告では、ビルマの国際貿易が直接強制労働と結びついていると述べています。

「児童労働を含む広範囲にわたる強制労働が継続されており、具体的には建設および主要な潅漑施設のメンテナンス、さらにコメを含む輸出用収穫物の栽培などで利用されている。また、輸出のための港への運輸に必要な主要道路および鉄道の一部などでも利用されている。児童労働を含む強制労働は、実質的に衣服を含む輸出品製造に貢献している。多くの信頼できる報告が、児童労働を含む強制労働の存在を示しており、1998年以来、未開墾の土地を伐採し、湿地に排水設備を施して収穫物栽培を可能にする作業などに、広く使用されている。政府経済計画には主に輸出を目的とすると記されている」

ビルマ政府が広範囲にわたって強制労働を、組織的に慣習として続けているという証拠が圧倒的に存在するにもかかわらず、軍事政権は、WTOの会員権を維持しています。WTOはビルマ政府が強制労働を行っていることを調査もしておらず、批判もしていません。そして同政権を「通常のビジネス」の対象として扱っています。

まさに、WTOはILOの調査期間中にも「国家待遇」の保護をビルマに与えてきました。そして実際に、ビルマ軍事政権当局者に対する経済研修を継続しています。この対応は、明らかに基本的なWTOのあり方と、欧州連合を含む加盟国全体の信頼性を徐々にむしばむものであります。

従って、WTOがこの問題に緊急に対応することを求めるものであります。

1996年12月13日、WTOは、シンガポール閣僚会議宣言で、次のように誓約しました。

「国際的に認められた基本的労働基準の遵守の確約作業を再開する。ILOはその基準を準備し履行させるための最適の機関であり、WTOはこれを支え、推進する」

しかし、長年にわたってビルマおよび一定の地域に特有の強制労働が存在するという事実の明確な証拠があるにもかかわらず、WTOは何の措置も採りませんでした。

したがってWTOは、ビルマ政権の強制労働の使用を受け入れているのだと思われます。

私は、WTOのこの姿勢は、多国間取引機関としての信憑性を脅かすものだと考えます。WTOが、この問題を関連会議で取り上げ、そこで行われた進展を連絡してくださることを確信いたします。

 

 

グレニス・キノック 欧州議会議員

 

CC:クリス・パッテン、コミッショナー

 



[1] 編注:ハイレベルチーム報告書日本語訳は次からダウンロードできます。

http://www.burmainfo.org/un/ILO-HLT_report2001_jp.html(日本語HTML

http://www.burmainfo.org/un/ILO-HLT_report2001_jp.pdf(日本語PDF

http://www.ilo.org/public/english/standards/relm/gb/docs/gb282/pdf/gb-4.pdf(英語PDF

 


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