| ビルマ情報ネットワーク | |
|
|
|
|
タサンダム情報(2)2003年1月29日 12月20日に軍政とタイ企業との間でタサンダム(注1)建設に関する覚書が取り交わされたようです。一方、今回の合意では実は両国で共同開発するダムの建設地をタサンに限定しておらず、もっと下流に建設する可能性も残っているのではないか、と見る向きもあります。今回の「タサンダム情報」では、覚書交換後の動きについての報道をまとめました。これまでの動きについては、タサンダム情報(1)をご覧ください(http://www.burmainfo.org/env/tasangupdate-1.html)。 覚書の内容ミャンマー・タイムズは、当初の予定通り12月20日に、ビルマ軍事政権とタイのMDX社がタサンダム建設に関する覚書を取り交わしたことを伝えました(注2)。さらにMDX幹部の談話として、詳細はまだ決定していないが、約40億USドルと予想される建設費用についてはMDXグループが自社の資金や融資でまかない、生産される電力の大部分はタイに売られる約束であることなどを報じました。この幹部によれば、建設の第一段階は2007年に終了し、その時点で発電が開始されるとのことです。また、ダムの高さは220メートル、最終的な出力は4600メガワットになるとされています。莫大な建設資金をMDXがどう調達するのかは、今後の焦点の一つでもあります。 軍隊による「警備」ビルマで開発事業が行われる際、ほとんどの場合に警備のためと称して国軍の部隊が地域に入ります。これに伴い、少数民族が住む地域では特に、建設前に住民が事業周辺から無償で立ち退きを強いられ、軍が管理しやすい場所に移動させられることが多くあります。軍が住民に強制労働をさせて事業の建設を進めることもあります。大規模開発事業の例として、ビルマ南部のヤダナ・ガスパイプラインの建設では、周辺住民が増強された駐留部隊のための住居を建てたり、何日も部隊に同行して軍用の物資を運んだりさせられました。労働や物資の提供は無償で、労働中の食料や水などは自分で準備させられます。休みはほとんどなく、暴力を振るわれることもしばしばでした(注3)。 タサンダム建設予定地のサルウィン川西岸では、90年代後半に大規模な強制移住が行われています。シャン・ヘラルド・ニュースによれば、1月18日にシャン州モントンの第65軽歩兵部隊の司令部で会合があり、タサンダム建設に関連して現地入りするタイ人関係者のための警備体制を整えよ、との軍政からの命令が、地区に駐留する部隊に伝えられました(注4)。 ダムの本格的な建設が始まり軍の警備体制が強化されれば、状況がさらに悪化する可能性が多分にあります。 道路建設の準備シャン・ヘラルド・ニュースはまた、タイ・サワド社がダム建設予定地と最寄のタサン村とを結ぶ道路(全長約15キロ)を建設する契約をMDXと結んだ、と報じました(注5)。同社の関係者によれば、1月27日にも道路建設用のセメントや鉄鋼ワイヤなどがタイから国境を越えて現地に運ばれる予定だったが、最短ルートでは国境が閉鎖されており、別ルートを使うと経費が倍以上になるため、まだ運搬は行われていない模様。 タサンとは限らない?現地の住民によれば、1月21日からMDXやタイの発電公社(EGAT)の技術者など約20人が入り、木のくいを川の両岸に立てたり水深を測ったりする作業を行っているそうです。この様子を聞いたNGO関係者は「(覚書は取り交わしたが)EGATはダムの建設地としてタサンにこだわってはいないのではないか」と述べました。他の建設地候補としては、ずっと下流のウェイジ、フジなどが以前から挙げられています(注6)。 秋元由紀(BurmaInfo)
注1:
注2:
注3:
注4:
注5:
注6:
|
|
(c) ビルマ情報ネットワーク(BurmaInfo) 1997〜年
|
|
(c) ビルマ情報ネットワーク(BurmaInfo) 1997〜年 |