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キンマウンラさんに面会

山本宗補(フォトジャーナリスト)
2003年12月9日

 今日(12月9日)、品川にある東京入管に強制収容されているキンマウンラさんに面会してきた。 彼が10月31日に収容されて今日が40日目。モダンなビルまるごとが入管で、受付は一階、面会ブースは7階にあった。面会時間は10分が規則。面会時間は午前は9-12時、午後は13-16時。 差し入れは面会前に係官に提出する。差し入れできるものは、現金、衣類、雑誌本類、パスポート。何人かは旅行カバンを差し入れていた。おそらく、本国への近いうちに強制送還が決まっている人への物だろう。

  差し入れできないものは、食べ物、飲み物、医薬品。慢性的持病である金欠病の私は、10月に出版した写真集「ビルマの子供たち」(第三書館)を差し入れた。彼は喜んでくれた。

 10分の面会時間はあっという間で、日本語で話したが、日本人と会話しているようなもので、彼の日本語の巧みさに驚ろいた。第一印象は、目の周りに窪みができているようで、寝不足か、心労が隠せないという感じだった。

  • 「考えないようにしようと思っても、そうはいかないから、なかなか眠れない」「たぶん、2-3キロ痩せたね」
  • 「病気はしていないけど、鼻がつまっている。たぶん毛布のダストじゃないかと思う」
  • 「食事は朝はパン、昼は弁当、夜は4時半ごろ。ちょっと早すぎだよね。朝のパンは夜、お腹がすいた頃食べる」
  • 自販機があるようで、飲み物は買える。しかし、食べ物はカップラーメンしかおいていないという。「カップラーメンは毎日食べたら病気になるからね」
    短期間ならば我慢もできるかもしれないが、不便さは想像しがたい。
  • シャワーは土日と休日が休みで、平日は毎日決まった時間に使えるそうだ。年末年始は12月27日から1月4日までが休みなので、この間は「シャワーが全く使えなくなるかもしれない」という。
    それはまだ、確かめてはいないといったが、仮にそうだとしたら、とんでもない権利の無視、人権を全く考えない規則だ。建物は最新だが、管理する官僚と職員たちの頭は前近代的なほど旧式だ。
  • 署名キャンペーンで応援してくれるたくさんの人たちに何かメッセージはと最後に聞いた。「みなさん、ありがとうございます。ガンバリます。今はそれだけ」 でも、表情は明るかったので、少しはほっとした。
  • 面会ブースは7階に21室あり、部屋の広さは4畳弱。透明強化プラスチックの壁が部屋の真ん中を仕切り、収容される者と面会者が触れることが全くできない構造だ。面会中の撮影も録音も、携帯使用も禁止されている。
    キンマウンラさんのように奥さんと小さな娘が二人いるような場合や、夫婦や恋人同志であっても、お互いに身体に触れることが絶対にできない作りとなっていることを、私は彼が部屋に入ってくる間、独りイスに腰掛けながら実感した。

 週に一度マリアさんが娘二人を連れて面会するそうだが、幼い二人にとっては、目の前にいるパパと会話ができても、抱いてもらうことも頬ずりすることもできない。実に酷な話だ。犯罪者扱いそのもので、規則がこれも前近代的としか言いようがない。アメリカは刑務所の受刑者も、家族や恋人と抱きしめあうことが別室で許可されている。

 仮にキンマウンラさんが「犯した過ち」があるとすれば、小泉首相、石原都知事、野沢法務大臣という「三頭の馬と鹿」に先導された外国人取締りキャンペーンという、外国人犯罪者を摘発することよりも、しゃかりきに働くオーバーステイ外国人をいとも簡単に捕まえることで「治安回復」と誤魔化す警視庁の餌食として、タイミング悪く収容されてしまったことだけではないだろうか。

 昨晩の電話では、奥さんのマリアさんは心労から体調を崩しているようだ。一日も早いキンマウンラさんの釈放を実現すべく尽力する渡辺彰悟弁護士の要請するように、さらに署名キャンペーンの輪を広げ、5万人署名を目指すよう、さらに多くの人の協力が欠かせない。

 すでに署名に協力されたみなさん、渡辺弁護士の献身的な活動に対して、応援メールを送る呼びかけを提案したい。ご協力お願いします。応援メールの送り先は下記のビルマ市民フォーラムまでお願いします。

ビルマ市民フォーラム
〒110-0016 東京都台東区台東1-10-6サワビル3階
いずみ橋法律事務所内
Tel: 03-5312-4817 / Fax: 03-5312-4543
E-mail:
URL: http://www1.jca.apc.org/pfb/index.htm

(編注)山本宗補さんのWebサイトには、近刊の写真集「フィリピン 最底辺を生きる」(岩波フォト・ドキュメンタリー 「世界の戦場から」シリーズ)(岩波書店、2003年12月)および、文中にもある写真集「ビルマの子供たち」(第三書館、2003年12月)の紹介のほか、ビルマでの写真やエッセイなどもありますので、どうぞご覧ください。





(c) ビルマ情報ネットワーク(BurmaInfo) 1997〜



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