不条理をゆるさない、そしてあきらめない
〜二重の不条理が続いている〜
渡邉 彰悟 (在日ビルマ人難民申請弁護団・事務局長)
2003年12月8日
先週金曜日(5日)にキンマウンラの仮放免申請に対する不許可の通知(2日付)が入管から届きました。 3万に及ばんとする署名のもつ重みも顧みず,入管は一枚の不許可通知書を送り届けたのです。そして、本日(8日)、私たちは仮放免の再申請をしました。
法務大臣の「送還を粛々と進める」という答弁に,この家族の日本での在留について消極的に捕らえている人たちがいるかもしれません。
しかし,そのような結果が不条理であることは,多くの方々からの署名とメッセージが示しています。「この不条理を許してはならない」「このような結果を認めるような日本であってはならない」、その思いは必ず事態を切り拓きます。
法務大臣は国会での答弁で,「少なくとも家族を切り裂くことはしない」と答弁しました。現時点での送還先はフィリピンしかありません。
しかし,フィリピンということになれば,基本的にはキンマウンラがフィリピンに送還されることに同意しない限り,話は前に進まないはずです(ビルマ人がフィリピンに入国するためにはビザが必要)。
日本政府はこの家族の統合を認めました。では,なぜ,キンマウンラは収容され続けなければならないのでしょうか。この収容は,まさにキンマウンラにフィリピン送還への同意を取り付けるために続いているとしか言いようがありません。 つまり,同意を間接的に強制するための収容です。かかる収容もやはり不条理です。家族統合を認めながら家族から切り離し,さらに送還を強制するための収容を継続するという二重の不条理は,改められなければなりません。私たちは,まだまだあきらめておりませんし,この家族は守られると確信しています。
いま一度,暉峻 淑子先生の「豊かさの条件」(岩波新書)からの言葉をここで紹介をしておきたいと思います。
「国が国益の名のもとに非人道的なことを強制したときに,私たちはなにをなすべきか。…上司の命令であっても,国の強制であっても,一人の人間として,人間性と良心の一線を超えてはならないのである」
キンマウンラは,今も日本での保護を望んでいます。厳しい状況は続いていますが,光はあります。私たちはこの願いを実現するためにさらに大きな輪を必要としています。引き続きご協力をお願いします。
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