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野沢太三法務大臣宛要望書

2003年10月30日
在日ビルマ人難民申請弁護団

法務大臣 野沢 太三 殿
2003年10月30日

要望書

 キンマウンラら家族に対して,10月29日東京高等裁判所第17民事部は控訴を棄却する判決を言い渡しました。

 この件についてはキンマウンラらは上告をする予定でおりますが,弁護団としては98年当時の情勢からさらに5年の歳月が経過している中で,キンマウンラの難民性はさらに強度なものとなっていると確信いたしますし,また家族全体の日本における定着性も強まってきていると考えます。

 先般,当該家族からの再審情願は認められないとの連絡を受けました。しかし,この家族が統合し平穏に暮らしていく場所はまさに日本以外にありえません。私たちは,日本国がこの家族を受け止めて保護していくことを心から願っています。

 現時点において当該家族の今後の在留の判断するに当たって,以下のことが考慮されなければなりません。

1. 既にキンマウンラについては再難民申請をし,東15-239として正式に受理されています。

2. ビルマの情勢は5月30日のディペイン虐殺事件以後,悪化しています。日本の民主化活動家による軍事政権に対する抗議は激しく,日本から帰国する活動家はどのような弾圧・迫害を受けるかわからない状態です。日本で活動せず単に大使館の要求する税金を支払っていないビルマ人ですら懲役刑に処せられているという情報もあります。

3. 彼ら家族がいかに日本の社会の中で受け入れられているかは同時に提出する署名を見ていただければ一目瞭然です。この署名のフォームは28日に配信され,わずか一日強でメールとファックスと1,105通寄せられました。多くの日本国民が関心をよせ彼ら家族に思いを寄せています。キンマウンラが雇用されている会社の代表取締役も,彼に対して絶大な信頼を寄せ,そしてキンマウンラら家族のためならどのようなことでもすると申し出てくれています。

4. そして何よりも,子どもたち,デミ・ミッシェルに心の傷を残すよう事態は避けていただきたいと切望します。添付の新聞記事やテレビで放映された子どもたちの様子にもあるように,子どもたちとキンマウンラとの紐帯はとても強く,彼らを引き裂けば子どもたちに癒すことのできない深い傷を負わせることになります。デミに至っては既に98年のときの収容による離別の経験が深い精神的な傷として残っています。現時点の状況も彼女を不安に陥れています。

 以上の点を踏まえて,私たち弁護団は以下の要望を致します。

 第1に,この家族全員に早急に在留特別許可を付与すること。
 第2に,再難民申請の調査や本要請書に対する判断の手続を進めるに当たってキンマウンラも含めて家族の誰も収容しないこと。

 なお,第1の再審情願の申立については,早急に資料をそろえて正式に文書を提出しますのでよろしくお願いいたします。

以上

在日ビルマ人難民申請弁護団
団  長 伊藤 和夫
同    高橋 融
事務局長 渡辺 彰悟

(連絡先):
〒100-0016 台東区台東1-10-6 サワビル3F
いずみ橋法律事務所
Tel03-3832-4521:Fax03-5312-4543





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