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ミャンマー・比夫婦に家族離散の危機 国外退去の可能性

2003年10月25日
朝日新聞・夕刊

ミャンマー・比夫婦に家族離散の危機 国外退去の可能性
2003年10月25日(朝日新聞・夕刊)
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 超過滞在のミャンマー(ビルマ)人の夫と不法入国したフィリピン人の妻が東京の片隅で知り合い、結婚して11年。日本で生まれた2人の子どもは小学4年生と幼稚園児になった。その幸せそうな家庭に、国外退去と家族離散の危機が迫っている。

 「万一、パパが捕まってビルマに送り返されたら、お約束を守ってママを困らせないようにね」

 今月初め、意を決したキンマウラさん(45)は東京都内の自宅で、長女デミちゃん(9)を傍らに呼び、入国管理局による拘束と国外退去強制処分の可能性を説明した。

 4歳の時、入管による父の拘束を経験して覚えていたデミちゃんは、事態を理解したのか、大粒の涙をぽろぽろ流した。

 「パパは何も悪いことしていないのに、何で捕まるの?何で行かなきゃいけないの?」

 キンマウラさんは自分がビルマ人でよその国にいるときにはビザという許可証が必要なことを説明した。

 寝床に入ったデミちゃんは、隣で寝ていた妹のミシェルちゃん(6)に「パパが行っちゃうかも」と話した。キンマウラさんと妻のマリアさん(36)は、2人の忍び泣きの声が午前0時ぐらいまで続くのを聞いた。

 キンマウラさんは母国の軍事政権を嫌い、88年に来日。「研修」の在留資格でコンピューター専門学校に通った後、今の運送会社に就職した。

 来日直後から在日ビルマ人協会のメンバーとして祖国の民主化運動に参加。このため92年7月以降は、在留期限の更新手続きもあきらめ、超過滞在状態が続いていた。

 フィリピン生まれのマリアさんは、86年ごろから偽造旅券で何度か入国し、都内のスナックやクラブで働いた。

 そんな2人が知り合って恋に落ちたのが91年。翌年から都内のアパートで一緒に暮らし始めた。

 ミャンマー政権は外国人との結婚を制限しており、2人の子どもは母親のフィリピン国籍を取った。2人は日本語しか話せないし、夫妻も共通の言語は日本語だ。

 キンマウラさんは94年、難民認定を申請したが、98年に却下され、いま家族全員に退去強制令書が出されている状態だ。異議申し立ての裁判を起こしたが、一審は全面敗訴。29日に二審の高裁判決が予定されているが、支援の弁護士らの見通しも「相当厳しい」。

 退去処分ではキンマウラさんがミャンマーへ、マリアさんと子どもはフィリピンに強制送還される可能性が最も高い。

 家族がバラバラになるだけでなく、「帰国したら逮捕される可能性がある」というキンマウラさんの祖国を、彼が再出国できる保証も、マリアさんらが訪ねられる保証もない。日本語しかできない子どもたちがフィリピンで適応していけるのか不安もある。

 キンマウラさんの職場の上司やデミちゃんの担任教師らが、法相あてに在留の特別許可を求める上申書を書き、近所の人たちが署名してくれた。法相からの返事はない。





(c) ビルマ情報ネットワーク(BurmaInfo) 1997〜



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