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国際人権NGO資料

ビルマ(ミャンマー):忘れられた女性たち(Unsung Heroines)
2000年5月24日配信 アムネスティ・インターナショナル 

※この文書の翻訳および発信元は、アムネスティ・インターナショナル日本支部のビルマ(ミャンマー)調整チームです。お問い合わせは同チームまでお願いします。

AI Index ASA 16/005/2000 : Myanmar- Unsung Heroines

アムネスティ・インターナショナル ニュースリリース

ビルマ(ミャンマー):忘れられた女性たち(Unsung Heroines)
2000年5月24日発表

 1988年の民主化運動が軍の暴力により弾圧されて以来、ビルマ(ミャンマー)の女性たちは、逮捕、拷問、強制労働への徴用、そして強制移住の犠牲者となってきた。アムネスティ・インターナショナルは、本日発表する報告書の中で、そう述べている。

 「家族に食事を準備し、子どもを教育することだけでも同国では困難であるのに、加えて彼女たちは大規模な人権侵害に直面しなければならない」と、アムネスティ・インターナショナルは憂慮している。

 野党勢力の中で重要な役割を担っているのは、ビルマ(ミャンマー)では女性であることが多く、そのために彼女たちは、投獄、いやがらせ、監視といった、男性なみの危険を負うこととなっている。知られているだけでも、100人近い女性たちが政治活動を理由に投獄されており、彼女たちの多くは、医療の欠如、極端に劣悪な刑務所環境のために健康を害している。アムネスティ・インターナショナルは、彼女たちのうち、良心の囚人を含む61人について情報を報告書の中で詳述した。

 軍事政権である国家平和開発評議会(SPDC)は、今年4月に激しい取り締まりを行い、反政府勢力の多数の女性を逮捕した。こうした取り締まりは現在も続いているが、この報告書は、彼女たちのうち数人についての情報にも言及している。今年の5月27日は、ビルマ(ミャンマー)で民主的な選挙が行われてから10周年にあたるため、SPDCによる取り締まりは、NLD(選挙で大勝した野党で、アウンサン・スーチーが指導者)のメンバーにも及ぶのではないかと見られている。

 政府が禁止している学生連合に所属する若い女性もまた、平和的な抗議デモに関わったことなどで、日常的に逮捕され、自由を奪われている。30代前半の大学生モウ・カラヤー・ウーは、前首相ウ・ヌ氏の葬儀に参加し、彼を称賛する弔辞を述べたために1995年に逮捕された。彼女は7年の刑を言い渡され、ビルマ(ミャンマー)中央部にあるタラワディ刑務所に囚われているが、健康を害している。

 少数民族の女性は、ビルマ(ミャンマー)人の女性とは違った種類の迫害を受けている。同国では、様々な少数民族武装グループが、50年以上にわたって国軍と闘っているが、死傷者のほとんどは民間人であり、それも多くが女性と子どもである。

 1990年代前半から、軍政府は国中でインフラ工事を展開しているが、そのために女性や子どもが強制労働にかりだされ、非人道的扱いを受けている。

 少数民族カレニーの15歳の少女は、タイへ逃げてくるまで2年間にわたって路上での労働を軍から強制されていた、と語った。孤児である彼女は、親戚と住んでいたが、もう一度学校へ行きたい、とアムネスティ・インターナショナルに語っている。

 少数民族シャンの若い女性は、1999年12月に軍の荷物の運搬人として強制徴用された。あまりの荷の重さのため歩行が遅れると、兵士に足や臀部を蹴られたり、ナイフで脅されたりしたという。

 1996年に、反政府勢力一掃キャンペーンの一貫として、軍事政権が大規模な移住計画を実施し始めた時、幾万もの少数民族の女性が先祖代々住んできた土地から、強制的に移住させられた。

 彼女たちは、隣国タイに逃れたり、軍が与えた土地へ仕方なく移住したが、ジャングルにそのまま身を隠したままの人もいる。あるカレニーの女性は、アムネスティ・インターナショナルに次のように語った。

 「隠れて生活しなければならないなんて、本当に惨めなものです。どうしてビルマ人はこんなことをするんでしょう。彼らに歯向かったことなんてないし、質素に伝統にのっとって暮らしていただけなんです。身を隠していた頃は、食べ物がなくて、死にそうでした。」

 広範囲に及ぶ人権侵害や、経済的困窮のために、さまざまな少数民族の女性が、タイ、インド、バングラデシュへ難民として、あるいは移住労働者として逃げざるをえない状況である。こうした女性の多くが、そそのかされたり、だまされたりして買春の犠牲となり、HIV感染の危機に瀕している。

 アムネスティ・インターナショナルは、ビルマ(ミャンマー)政府に対して、すべての女性の良心の囚人を即時無条件で釈放することを求める。また、強制労働を廃止し、軍人や警官、また刑務官に対して人権教育を実施し、特に女性の権利について研修を行うことを要請するものである。

(了)