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国際人権NGO資料

アムネスティは、言葉だけではなく、行動を求める
2003年12月22日配信 アムネスティ・インターナショナル 

ビルマ(ミャンマー):
アムネスティは、言葉だけではなく、行動を求める
AI Index: ASA 16/038/2003

アムネスティ・インターナショナル
アムネスティ国際ニュース発表
2003年12月22日

【バンコク 2003年12月22日】17日間のビルマ(ミャンマー)訪問を終えたアムネスティ・インターナショナルの代表団は、政府に対して、すべての良心の囚人を釈放すること、平和的な反政府活動を理由とした逮捕をやめること、を求めた。

 バンコクでの記者会見においてアムネスティは、同国訪問の間に確認された一連の憂慮の概略を述べた声明を発表し、ビルマ(ミャンマー)政府に対して人権状況を改善するための方策を直ちに採るよう求めた。ビルマ(ミャンマー)の人権状況は、5月30日の国民民主連盟(NLD)に対するすさまじい弾圧以来、悪化している。今年2月に初めてビルマ(ミャンマー)を訪れたアムネスティ・インターナショナルは、5月以来、非暴力的な政治活動を理由として多くの人が逮捕されていることを報告しているが、その多くが弾圧的な法律によって、長期間の禁固刑を言い渡されていることが確認された。

 今年8月、国家平和発展評議会(SPDC、軍事政権)は、憲法草案のための国民会議を再召集すると、宣言した。また、先週バンコクにおいて、ビルマ(ミャンマー)のウィンアウン外務大臣は、(民主主義への)移行手続きは、すべてのグループの参加をもって「包括的なやり方で」実行されるだろうと誓った、といわれている。

 「最近ビルマ(ミャンマー)政府が見せている変化への取り組み、これをもっとも確実に示すのは、すべての良心の囚人を即刻釈放することである」とアムネスティは述べている。

 今回の訪問でアムネスティの代表団は、政府関係者と会談し、ヤンゴン、バゴー、モーラミャイン(モールメイン、モン州)の刑務所において35人の政治囚にインタビューし、さらに、いくつかの少数民族政党の関係者と意見交換した。しかし、NLD書記長であるアウンサンスーチーさんとの面会は拒否された。スーチーさんは現在、事実上の自宅軟禁下におかれている。

 「これらの面会や会談によって、恣意的な逮捕、長期化する、外部との接触を絶たれた拘留、政治的な被拘留者の不公正な裁判などを含んだ、政治的な投獄への私たちの懸念が強まった」とアムネスティは語った。

 改革への本気の取り組みを含んだいくつかの人権状況の進展は、急速に進んでいるが、司法制度の包括的な建て直しといった、もっと必要だと思われる改革には、さらに時間がかかるだろう。

 「政府は私たちに、もうちょっと待ってください、変化はまもなくやってきますと説明した。しかし、こういった口約束は、今なお続く抑圧の前ではうつろに響くのである。私たちは、現場での、しっかりと揺るがない変化によってビルマ(ミャンマー)の人権状況の進展を判断するだろう。調子の良い言葉や、あいまいな約束ばかりで、改革のためのタイムテーブルがないようなら、それはあまり意味がない」アムネスティ・インターナショナルはこう語った。

 結局のところ、行動の時がやってきたわけで、その「時」とはまさに今なのである。繰り返すが、可能な限りもっとも強い言葉で、アムネスティ・インターナショナルは以下のことを求める。

1.すべての良心の囚人を直ちにそして無条件で釈放すること

 そこには、選挙で選ばれた国会議員、ジャーナリスト、医師、弁護士、教師、それに若い活動家が含まれている。これらの男性・女性は国の将来に多大な貢献をしようという意思をもった者である。地位の高いものを選択的に釈放するのは十分ではない。

2.表現の自由や、平和的な組織作りを犯罪とする抑圧的な法律の運用を停止すること

 こういった法律は19世紀から現在まで存在するものである。最近では、一人で政府への抗議行動を行ったとか、私信の中で社会・経済問題を論じた、といった理由で有罪判決を受けた例があった。

3.裁判なしに良心の囚人を拘留したり、刑期を終了した政治囚をさらに拘留することができるような、行政手続による拘留規定の運用を停止すること

 現在ある規定(1975年の国家防御法10条a、10条b。91年の法令11号により改正)によれば、起訴、裁判、裁判所への異議申し立てなしに最長5年間での拘留を命じることができる。

4.軍情報部やその他の公安当局者による、起訴や裁判なしの、外部との接触を絶った拘留=このような社会の暗部の実態を明らかにすること

 引き続き起こっている政府による恣意的な拘留や、威嚇は恐怖や抑圧の雰囲気を作り出しているが、これらを拭い去るためには、言葉だけでは足りないのである。

 「これらすべての改善策は、政府が公言する、包括的な、不透明でない国民会議再召集の手続きには欠かせないものである」とアムネスティ・インターナショナルは言う。こういった改革はまた、深刻な人権侵害の疑いに対する独立した、公平な捜査を可能にする環境を整える。それはたとえば、5月30日の弾圧事件や、反政府活動鎮圧地域において現在も続いている、軍による民間人の強制労働やその他の暴力である。

 国民和解や持続可能な国の安全は、ビルマ(ミャンマー)のすべての人々の基本的な人権を抑圧するより、むしろ守る事によって達成することができるのである。 (日本語訳:ビルマ(ミャンマー)調整チーム)

出典:Amnesty International, Myanmar: Amnesty International calls for Actions not Words , ASA 16/038/2003, Dec 22, 2003.