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国際人権NGO資料

アムネスティ 年次報告2006-ビルマ
2006年5月1日配信 アムネスティ・インターナショナル 

Amnesty International Report 2006(2005年の人権状況をまとめたもの)のビルマのページの仮訳です。

アムネスティ・インターナショナル 年次報告2006(仮訳)
ビルマ(ミャンマー)連邦

ビルマ(ミャンマー)連邦
UNION OF MYANMAR
首都:ヤンゴン
国家元首:タンシュエ上級将軍
政府首班:ソーウィン上級将軍
死刑制度:存続
国際刑事裁判所設置規程:未署名
女性差別撤廃条約:留保付き批准
女性差別撤廃条約選択議定書:未署名

2005年1月から12月の出来事についての報告
 1100人以上の政治囚が逮捕され、もしくは拘禁されたままである。その中には、平和的な反軍政活動を理由として拘束された何百人もの良心の囚人が含まれている。少なくとも250人の政治囚が釈放された。軍は、反軍政勢力の掃討活動中、少数民族の民間人に対し強制労働を含む重大な人権侵害を継続して行なっている。軍事政権は、国際労働機関(ILO)から脱退する意向を表明した。ILO、その他の国連機関、および国際援助団体が、過酷な状況下にあるビルマ国民を援助する場合、その活動に対する制限は一層強化された。
背景
 2004年、政権を握っている国家平和発展評議会(SPDC)によって、憲法草案を作成するための国民会議が再び召集され、2005年2月および12月に開催された。停戦合意をしている勢力が参加する一方、国民民主連盟(NLD)やその他複数の政党は参加しなかった。SPDCは、全ての代表者を選定し、彼らの移動や表現の自由を制限した。

 カイン(カレン)州で戦闘中だった反軍政武装勢力、カレン民族同盟(KNU)と軍事政権は停戦合意に至らなかった。シャン州ではシャン州軍(南部方面軍)と国軍の衝突が続いている。SPDCは停戦に合意する武装勢力に武器の放棄を求めた。他にも、チン州やカヤー(カレンニ)州で、民族を基盤とした比較的小規模の反軍政側の武装勢力が国軍と交戦を継続している。

 SPDC命令によって、首都ヤンゴンの本部を除く全てのNLD事務所が公式に閉鎖されたままである。5月には、ヤンゴンで起きた爆発事件により不特定数の人びとが死亡している。

政治的な理由による投獄
 政治的な理由により逮捕された1100人以上の人びとは刑務所に囚われ続けている。NLDやその他の反軍政側の政党は厳しい制限や嫌がらせ、脅迫に直面している。

 政治囚は逮捕後、親族との面会が認められず、時には弁護士との面会も認められていない。

 捏造された刑事告発や国家により認可された出版物の所持などを理由に政治裁判で有罪判決を受けた者がしばしば長期の懲役が課せられている。

 強制労働を止めさせるために行動を起こした者がそれが合法的な活動にもかかわらず投獄されている。

釈放
 1月に約50人、7月に200人以上の政治囚が釈放された。

拷問と虐待
 公判前の拘禁時および刑務所内での拷問の報告が相次いでいる

 刑務所の状況は依然として過酷であり、政治囚には適切な医療措置が与えられていない。

少数民族
 カレン、モン、シャン、ロヒンギャなどの少数民族の人びとが軍による強制労働、その他の人権侵害に依然としてさらされている。そして、それはモン、シャン、カヤー(カレンニ)州やバゴー、タニンダーイ管区の紛争地域で顕著である。主にその反軍政勢力の掃討活動によりこれらの地域の何十万人もの市民が依然して故郷から強制移住させられている。通常、彼らは国際的な援助機関や国連機関との関係を断ち切られており、健康面でのケアを受けることや食糧を手に入れることも制限されている。SPDCがカイン(カレン)州北部やバゴー管区東部の数千人の市民とKNUとの繋がりを断ち切ろうとした結果、それら市民は強制移住させられたと伝えられている。国軍はシャン州で土地の没収や財産の強要、移動の自由の制限を続けており、またモン州では荷役や強制労働のため市民を誘拐している。ラカイン州の少数民族でイスラム教徒であるロヒンギャは歩哨、道路、軍の野営地、および農場の整備を強いられている。

国際社会の動き
7月、他のASEAN諸国が延期を促していたと広く伝えられる中、SPDCは2006年7月に予定されていた東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国就任を延期すると発表した。他のASEAN諸国が延期を促している中での発表であった。米国と欧州連合(EU)はビルマに対する制裁措置を延長した。4月、国連人権委員会は「継続している組織的な人権侵害」に深刻な懸念を表明しミャンマー問題特別報告者の任期を更新する決議を採択した。11月、国連総会は同様の決議を採択した。特別報告者と国連事務総長特使は、SPDCにより同国へのアクセスを依然として拒否されている。12月、国連安保理はその状況について議論するため、非公開の会議を開催した。

 2月、ILOの高官がビルマを訪問したが、タンシュエ上級将軍との会見は許可されなかった。6月、国際労働総会基準適用委員会会合は2000年の同委員会決議を想起した。その決議は、すべてのメンバーや国際機関に対し、それぞれの、SPDC、ビルマ国営企業、あるいは軍部が所有する企業との関係が強制労働や外国企業によるビルマへの直接投資を助長することにならないよう命じている。年の中頃には、SPDが支援するグループによる集会が多数開かれ、10月、ILOはSPDCがILOからの脱退の意思を表明したこと、およびILOのヤンゴン駐在渉外担当者が殺害の脅迫を21回受けたことを明らかにした。11月、ILO理事会はビルマ国内の状況が悪化していることについて深刻な懸念を表明した。

 8月、世界食糧計画は、ビルマではその豊富な資源にもかかわらず子どもたちの約40パーセントが栄養失調であると報告した。SPDCは、国連難民高等弁務官事務所、国連開発計画、ILOを含む国連や国際援助機関による活動および過酷な状況下にある人びとへのアクセスに対し制限を強化した。8月、世界エイズ・結核・マラリア対策基金は、これら制限による困難を理由として、2005年末までに現地でのプログラムから撤退すると発表した。

アムネスティ報告書
Myanmar's political prisoners - a growing legacy of injustice (AI Index: ASA 16/019/2005)
Myanmar: Leaving home (AI Index: ASA 16/023/2005)
Myanmar: Travesties of justice - continued misuse of the legal system (AI Index: ASA 16/029/2005)