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国際社会

「地獄で雪が降るよりもありえない」? ~ビルマ(ミャンマー)総選挙についての発言集 ツツ大主教ほか
2010年7月14日配信 ビルマ情報ネットワーク

ビルマ(ミャンマー)で軍事政権が実施を計画している総選挙について、政府や国際機関、著名人などの発言をまとめました。

ツツ大主教「地獄で雪が降るよりもありえない」

「現状では、地獄で雪が降る確率の方が、ビルマで自由で民主的な選挙が行われる確率より高い」
―ツツ大主教。イラワディ誌とのインタビュー(2010年4月号)。

ツツ大主教「国民のための選挙ではない」

「ビルマ軍事政権は国政を力で奪い取ったのであり、国民のための政治を行っていない。今年行われる総選挙も国民のための選挙ではない。」
―ツツ大主教。マンデラ元南アフリカ大統領が創設した平和構築支援団体エルダースのメディアリリース(2010年6月17日)。

欧州議会「あらゆる民主的原則に反する」

「[軍政の選挙関連法は]2200人の政治囚を選挙から除外するなどして、あらゆる民主的原則に反しており、自由な選挙の実施を不可能とするものだ。総選挙は、まったく民主的でない条件の下で、明らかに国内の反対勢力を選挙から除外するために主要な民主化政党を除外し、数十万人の国民の参政権を奪う法に基づいて行われようとしている。欧州議会はこのような選挙の実施を強く非難する。」
―欧州議会決議(2010年5月19日) 

ロムロ・フィリピン外相「茶番」

「総選挙はそもそも不正で茶番なのに、なぜ[選挙監視団を]送るのか?まるで子どものお遊びだ。」
―ロムロ・フィリピン外相。AP記者に対する発言(2010年5月14日)。 

シーリーン・エバーディほか「2008年憲法は女性の政治参加を妨げる」

「2010年総選挙は、ビルマ人女性を含む市民社会との議論を経ることなく草案され可決された憲法に基づいて行われる。この憲法は、女性の政治参加を妨げるもので、ここでいう女性にはアウンサンスーチー氏に触発された女性たちも含まれている。」
―ノーベル女性の会を創設したジョディ・ウィリアムス(1997年ノーベル平和賞受賞)とシーリーン・エバーディ(2003年同受賞)。「ディスパッチ・オンライン」への投稿(2010年6月28日)。

EU理事会「まったく信用性を持たない」

「欧州連合は、ビルマ/ミャンマー当局がアウンサンスーチー氏をはじめとするすべての政治囚を無条件で解放し、反対勢力や民族団体が全面的に参加できるような、包括的で長期的な対話に基づく国連での政治プロセスを開始しない限り、2010年に予定されている総選挙はまったく信用性を持たないことを指摘する」
―欧州連合理事会会合決定(2009年11月10日) 

キャンベル米国務次官補「大いに懸念」

「選挙関連法と、選挙関連法が作り出した状況について大いに懸念している。」
―キャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)。バンコクでの記者会見で(2010年5月9日)。 

キャンベル米国務次官補「国際的に正当として認められない」

「これまでに見てきた事実から、今回の選挙は国際的に正当として認められないと考えている。軍政に対し、選挙までに残された時間で選挙プロセスを開かれたものにする措置を早急に取ることを求める」
―キャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)。ラングーンでの記者会見(2010年5月11日) 

クローリー米国務次官補「まったく期待していない」

「我々は、これ[ビルマの選挙プロセス]が欠陥のある選挙プロセスであると考えている。我々は、NLDの元メンバーたちの決断を尊重する。しかし、ビルマの現状が、自由かつ公正で、正当性のある結果に少しでもつながるだろうなどとは、全く考えていない。」
―クローリー米国務次官補。定例記者会見(2010年7月12日)。

ビル・ラメル英外務政務次官(当時 )「文民統治に見せかけて軍事的支配を強化する」

「新憲法と2010年総選挙を含む軍政の「秩序ある民主化へのロードマップ」は、文民政府を樹立したと見せかけて軍事的支配を強化するものだ。このプロセスは、反対勢力や少数民族団体の有意義な参加を妨げている。」
―ビル・ラメル英外務政務次官(当時 )。議員からの質問(2009年1月12日付)に答えて。

G8首脳宣言も言及

「ミャンマー政府に対し、アウンサンスーチー氏を含むすべての政治囚を直ちに釈放し、民主化勢力及び民族代表と、国民和解に向けた実質的な対話を行うよう要請する。」
―G8首脳宣言(2010年6月26日)。 

岡田外相「極めて遺憾」

「在ミャンマー大使に確認をさせていたところですが、その結果、『禁固刑に服している者は選挙に立候補できず、政党のメンバーになることもできない』ということが確認されました。自宅軟禁を受けているスー・チー女史も、これに含まれるという説明がございました。そして、これは我が国が期待している、すべての関係者が参加できる開かれた選挙とは明らかに異なるものであります。極めて遺憾であります。本日(3月26日)、フラミン駐日ミャンマー大使に外務省へ来ていただきまして、『こうした状況で選挙を実施しても国際社会に認められない。すべての関係者に開かれた公正な選挙となるように是非とも再考してもらいたい』と申し入れたところであります。」
―岡田外相。記者会見(2010年3月26日)。

日本の国会議員「極めて非民主的な選挙になるのではないか」

「民主化勢力のリーダーであるアウン・サン・スー・チー氏や政治囚たちが選挙に参加できず、政治囚が党員として所属している政党は、名簿登録すらできないようです。その結果、貴政府の意向に沿った国民だけが参加できるという、極めて非民主的な選挙になるのではないかと、強く懸念しています。」
―日本の国会議員87人。ビルマ軍政トップ・タンシュエ上級大将への書簡(2010年6月18日)

オーストラリア上院「総選挙の結果を認めない」

「オーストラリア上院は、ビルマの政治状況が改善されない限り、2010年総選挙の結果を認めない。憲法改正を含む、包括的で開かれた透明性ある政治プロセスにつながるような実質的な対話を関係者間で実施することを、ビルマ軍事政権に対して求める。」
―オーストラリア上院決議(2009年3月14日)。

イギリス国会議員「文民統治を装って独裁政治を維持する」

「ビルマの軍人たちが今年予定している総選挙は、選挙関連法とビルマ国内で続く抑圧により自由で公正になりえないため、[イギリス下院は]これを容認しない。[下院は]文民政治を装って独裁政治を維持するために策定され、ビルマの少数民族にいかなる権利や保護も付与しないビルマの新憲法を強く非難する」
―イギリス国会議員126人が署名した早朝動議112号(2010年6月19日)。

シンガポール首相「落選したら自分の宝石や財産はどうなると考えているのではないか」

「[ビルマでは]ほんの数人で決定を行っているのではないか。そして、その数人が、[2010年総選挙は]自らの存在に関わるものだと考えているのではないか。もし落選したら、国や政府が変わるだけでなく、自分はどうすれば良いのか、どの刑務所に入れられるのか、自分の子どもや宝石や財産はどうなるのかと考えているのではないか。[中略]今年、選挙が行われる。選挙は完璧ではないかもしれないが、一歩前進ではある。」
―シンガポール首相リー・シェンロン。アメリカのテレビ番組での発言(2010年4月14日) 

シンガポール外相「選挙結果に正当性がなければミャンマーの近隣諸国にとっては問題だ」

「現在の政府は、総選挙が「自由で公正」なものになることを約している。選挙の正当性にとって重要なのは、ビルマ国内に多数ある民族団体が互いに和解の精神を持つことと、国民民主連盟(NLD)その他の反対政党が選挙に参加することである。[中略]ASEANはアウンサンスーチーの解放と選挙への参加を呼びかけるという立場をとっており、シンガポールもそれに賛同している。[中略]和解がもたらされず、選挙結果に正当性がなければ、ASEAN諸国、特にミャンマーの近隣諸国にとっては問題だ。」
―シンガポール外相ジョージ・ヨー。シンガポール議会での発言(2010年3月5日) 

中国国連大使「ミャンマーは世界最貧国の一つであるから、選挙の実施は容易ではない」

「[どの国においても総選挙は主権国家の問題だということは]尊重されるべきだ。この原則はミャンマーにも当てはまる。[中略]ミャンマーが総選挙に向けて建設的で健全な環境を整えることができるように、国際社会と国連安保理がミャンマーを助けることが非常に重要だと考えている。[中略]ミャンマーは世界最貧国の一つであるから、選挙の実施は容易ではない。しかし、我々は、総選挙は国家的和解や民主主義にとって非常に重要な一歩であると考えている。」
―李保東・中国国連大使。国連安保理非公式会議後の発言(2010年3月25日)

英国国連大使「欠陥のある選挙によって情勢が不安定になれば脅威となる」

「[中国の見解には]同意しない。[中略]欠陥のある選挙によって情勢が不安定になれば、それは国際的な平和と安全保障にとって脅威となる。だから、安保理は声明、議長声明、報道向け声明を出してきた。これを安保理の議題とし、議論すべきだという見解はまったくもって正しい。」
―マーク・ライアル・グラント英国連大使。国連安保理非公式会議後の発言(2010年3月25日)

国連事務総長「開かれた政治プロセスと言えない」

「発表された選挙関連法と、選挙をとりまく全体的な状況は、今のところ、開かれた政治プロセスと呼ぶにふさわしい基準を完全に満たしていないので、これについて懸念を表明してきた。」
―潘基文・国連事務総長。ミャンマーに関するフレンズ会合後の記者会見発言(2010年3月25日)。

キンタナ国連特別報告者「このままでは選挙に信用性はない」

「約2200人の良心の囚人を含む全員が選挙に参加し、国民や政党が一連の選挙活動に参加できるような環境がなければ、選挙に信用性がない。」
―ミャンマーの人権状況に関する キンタナ国連特別報告者 。2010年2月のビルマ訪問後、ジュネーブ の国連人権委員会で (2010年3月10日)。

シュワルツ米国務次官補「難民が帰国できるかどうかの判断は選挙が行われたかどうかに基づくべきではない」

「ビルマで総選挙が実施されても、タイにいる難民が帰国できるような安全な条件が整うことにはならないだろう。難民が帰国できるかどうかは現地の実際の状況に基づいて判断するべきで、選挙が行われたかどうかに基づくべきではない」
―シュワルツ米国務次官補(人口・難民・移民担当)。タイ・ビルマ国境地域を訪問して(2010年6月25日)。