在日ビルマ人

申 入 書
2003年4月9日配信 在日ビルマ人難民申請弁護団

申 入 書
2003年4月9日
在日ビルマ人難民申請弁護団
代表  伊藤 和夫

 私たちは,ビルマ人の難民申請手続きに関する法的な援助をしている弁護団であります。1992年に結成され,現在も活動を継続しております。

 既にご承知のように,当弁護団が代理人を務めました原告Zに関する 国家賠償請求事件につき、4月9日に東京地方裁判所民事3部(藤山 雅行裁判長)は,法務大臣の難民不認定処分の違法性と責任を明確 に認定し,法務大臣に対し,Zが長期間収容され,難民認定を受けるま で不安定な身分に置かれ,送還の恐怖にさらされ続けたことなどを理由とする慰謝料等として950万円の支払いを命じました。

 この判決の中で,裁判所は,立証責任について「法務大臣においても …必要な範囲内での調査を行う義務がある」と難民申請を審査する側 の責任を明確に認め,そして「難民調査官が…本件難民認定申請を 退去強制を免れるためのものとの疑念にこだわり,…当初の思い込みに 影響されて…原告の供述について公正かつ慎重な評価,吟味を欠いた まま,信用できない供述であるとの誤った判断に至った」「難民認定のあり 方について正しい認識を有する者ならば容易に発見することが可能であっ たと考えられるのであるから,上記義務違反は,基本的初歩的な義務違 反であるといわざるを得ない」と難民認定手続の内容を厳しく論じています。

 私たちは,この判決が契機となって,日本の難民認定手続が庇護を求 める者にとって公正で透明性が高く,また難民条約が要求する水準におい て機能することを願ってやみません。

 私たちは,これらの司法の判断を重大な問題提起として貴庁が受け止め,今後の難民認定行政に生かされることを要望します。

 そのために必要なことは第一に本判決の責任を認め,控訴をしないという判断をされることであると考えます。

 Zは、判決も指摘するとおり、難民でありながら11ヶ月もの長きにわたって 収容され、収容を解かれた後も約3年にわたり、在留資格を与えられず、 不安定な地位を強いられてきました。控訴をしないという判断は、このZの被害の回復を一日も早くなすという観点からも、強く求められています。

 法務大臣におかれては、ぜひともこの判決の内容を吟味され,現場に おいて判決を生かすことこそが急務であるというご判断をされたくお願いする 次第です。