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投資・援助

ノーベル平和賞受賞者、ビルマへの投資撤退を求める
2001年10月1日配信 フリーバーマ・コアリション(FBC)

【バージニア州・シャーロットビル】6人のノーベル平和賞受賞者はバージニア大学理事会に公開書簡を送り、大学当局に対し、保有するユノカル社(本社、カリフォルニア州)の株売却を求めた。これは学生運動史上前例のないことである。この書簡は今年3月のバージニア大学学生会の決議と、これに続く9月18日の決議を受けたのである。両決議とも、ユノカル社が共犯関係にあるビルマでの人権侵害を理由に、同大学理事会に大学が保有する同社の株式5万株を売却するよう求めている。

 「ユノカル社がパイプラインを取り巻く状況を否認する一方で、同社の取引先である不法な軍事政権は大量の人々を拷問し、殺害し、強かんし、奴隷のように扱っているのです」と指摘するこの書簡には、ベティー・ウィリアムス(アイルランド、1976年)、オスカル・アリアス(コスタリカ、1986年)、ダライ・ラマ(チベット、1989年)、リゴベルタ・メンチュ(グアテマラ、1992年)、ホセ・ラモス・ホルタ(東チモール、1996年)、ジョディー・ウィリアムス(米国、1997年「反地雷国際キャンペーン」)が署名している。

 署名した受賞者は、同大学主催の1998年11月5日、6日の「Bringing Together Great Hearts and Minds」と題された会議で講演を行った後、バージニア大学に関心を寄せるようになった。選挙で支持されたビルマ(ミャンマー)のリーダーで、1991年のノーベル平和賞受賞者であるアウンサンスーチー氏は、ユノカル社などの企業にビルマからの撤退を求めているが、ビルマ軍事政権によって自宅軟禁に置かれていたため、1998年の会議に出席することができなかった。

 フリーバーマ・コアリションのバージニア支部代表アンドリュー・プライスは「私たちはユノカル社のビルマでの活動を嫌悪しているのはバージニア大学の学生、職員、教員だけではないことを示すため、受賞者に対してこの行動への協力を求めました。大学は80年代に南アフリカのアパルトヘイトへの金銭的な援助を許容しませんでした。同様に、現在のビルマで行われている奴隷制を許容するべきではないのです。」

 バージニア大学卒業生のカティ・レッドフォード氏とタイラー・ジャニーニ氏が代表を務める人権NGOの地球の権利インターナショナル(本部、ワシントンDC)は、パイプライン建設に起因する人権侵害を受けた12人のビルマ人の代理人を務め、ユノカル社を訴えた。こうした訴訟は前例のないものだった。原告のうち2人は激しく強かんされており、1人の赤ん坊はビルマ軍兵士によって料理用の火の中に蹴り入れられて死亡した。兵士たちはパイプラインの警備と建設資材の提供を担当していた。

 フリーバーマ・コアリションのワシントン事務所代表のジェレミー・ウッドラムは「学生が主体となるフリー・バーマ運動[ビルマ民主化支援運動の通称]の中でも、今回の動きは特別で前例のないものです。バージニア大学は、残虐なビルマの現政権を支える企業との関係を絶った世界各地の著名な大学の仲間入りをすることになるでしょう」と述べている。

 ハーバード大学、アメリカン大学、カリフォルニア大学、ミネソタ大学、ウィスコンシン大学、バックネル大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の学生は、大学側に対し、ビルマで活動する企業への対抗措置の必要性を理解させている。今年4月にはこの運動は大きな広がりを見せた。95のカレッジと大学で24時間のハンガー・ストライキが行われ、参加した学生は各大学にビルマとの取引を停止するよう求めている。

詳しい情報は、
ジェレミー・ウッドラム(フリーバーマ・コアリション、ワシントン事務所代表)
電話:202.547.5985

[注]ユノカル社のビルマでの活動については、地球の権利インターナショナル(Earthrights International)まで。電話番号:202.466.5188(米国)。 同NGOのWebサイトは、http://www.earthrights.org (英語)。

(箱田 徹 訳)

出典: Free Burma Coalition, "Nobel Laureates Declare Support for Divestment from Burma." and Jody Williams, Jose Ramos Horta, Rigoberta Menchu, The Dalai Llama, Oscar Arias and Betty Williams, "An open letter to the University of Virginia" (October 2, 2001.)

ジョディー・ウィリアムス、ホセ・ラモス・ホルタ、リゴベルタ・メンチュ、
ダライ・ラマ、オスカル・アリアス、ベティー・ウィリアムス

2001年10月2日

バージニア大学への公開書簡

 1999年に行われた「ノーベル平和賞会議」の参加者として、私たちはバージニア大学に大きな尊敬と賞賛を送ります。この異例な学術プログラムの開催と、トマス・ジェファーソンが指し示した市民的自由に注がれた強い関心によって、私たちは貴大学が米国でもっとも優れた若者たちを送り出していることを知りました。

 会議には私たちと同じ受賞者の1人、ビルマのアウンサンスーチー氏が欠席していたことを特筆しなければなりません。氏はノーベル平和賞を受賞し、総選挙では代表を務める政党を勝利に導いているにもかかわらず、現在も自宅軟禁状態に置かれています。世界の人々の多くがすでに享受している自由を擁護したというだけの理由で、ビルマの現政権は横暴にも、氏を家族、友人、同僚から隔離しているのです。氏はたたかいに対する国際的な支援を常に求めており、特にすべての企業のビルマからの撤退を求めています。これまでも何回となく、氏は「法の支配と民主主義にもとづく基本的な諸制度を保証するシステムがビルマに備わるまでは、いかなる援助や対外投資も国民の利益にはならない」という趣旨の発言を行っています。実際のところ、ビルマの外にいる私たちは民主化を求めるスーチーのたたかいを支援する倫理的な義務を負っているのです。

 ゆえに私たちは、バージニア大学にユノカル社の株を売却するよう求める2001年3月27日の学生会決議への支持を表明する書簡を提出します。同社のパイプラインは、現政権が権力にしがみつき、スーチーを自宅軟禁に置くことを可能にする生命線となっています。ユノカル社がパイプラインを取り巻く状況を否認する一方で、同社の取引先である不法な軍事政権は大量の人々を拷問し、殺害し、強かんし、奴隷のように扱っているのです。

 私たち、スーチーと同じノーベル平和賞受賞者は、ビルマに民主主義と人権の回復を目指す氏の勇気あるたたかいをこれからも断固として支持します。南アフリカの投資に反対するキャンペーンがアパルトヘイトの廃止に貢献したのと同様に、貴大学の行動は、スーチーの解放と、ビルマに民主主義と法の支配の回復に貢献することになるでしょう。

敬具

(署名者)
ジョディー・ウィリアムス(米国、1997年受賞)
ホセ・ラモス・ホルタ(東チモール、1996年受賞)
リゴベルタ・メンチュ(グアテマラ、1992年受賞)
ダライ・ラマ(チベット、1989年受賞)
オスカル・アリアス(コスタリカ、1986年受賞)
ベティー・ウィリアムス(アイルランド、1976年受賞)

(箱田 徹 訳)