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国際社会

国際的な人権基準に反する国家保護法の改正または廃止を要求する
2003年6月2日配信 アムネスティ・インターナショナル

AI Index: ASA 16/016/2003 (Public)
News Service No: 150
20 June 2003

ビルマ(ミャンマー):国際的な人権基準に反する国家保護法の改正または廃止を要求する
アムネスティ・インターナショナル
アムネスティ発表国際ニュース
2003年6月2日

 アムネスティ・インターナショナルは、アウンサンスーチーさんが1975年の国家保護法10条a項に基づいてインセイン刑務所に拘禁されていることに懸念を表明した。

 「われわれは、アウンサンスーチーさんをただちにそして無条件に釈放するようビルマ(ミャンマー)軍事政権に繰り返し要求する。」と、本日アムネスティは述べた。

 「われわれはまた、国民民主連盟(NLD)のティンウー副議長や平和的な政治活動をしたために5月30日の事件以降拘禁されたままであると伝えられている、少なくとも130人の人びとを釈放するよう、国家平和発展評議会(SPDC)に対し要求する。」

 「アウンサンスーチーさんの拘束は保護的なものである、という主張にもかかわらず、彼女は国家主権と治安に対する脅威だと決め付けられ、基本的人権を無視した法律によって拘禁されている。」とアムネスティは続けた。

 アムネスティ・インターナショナルは、行政による拘禁を規定している法律に基づいてアウンサンスーチーさんが拘禁されている、という事実を特に懸念している。

 これは起訴や裁判も無しに、また法廷弁護士に連絡を取ることや裁判上の異議申し立てもできずに、行政官の命令に基づいて、1年間人びとを恣意的に拘禁することを認めているものである。そして、この命令を更新して、拘禁を最大5年まで延長することができる。

 「アウンサンスーチーさんを含め拘禁されている全員はただちに、弁護士や親族に連絡を取ること、医療を受けることを完全に認められなければならない。」とアムネスティは強調し、「適当な時期がきたら」拘禁された人たちを釈放する、とした当局の声明では安心できない、と付け加えた。

 アムネスティ・インターナショナルはSPDCに対し、国際的な基準にあうように、恣意的な拘禁を認めている国家保護法を改正するか廃止するよう要求している。

 問題の国家保護法は、SPDCが「国家主権と安全を脅かす」と考えた人物を、起訴や裁判無しで、また裁判に訴える権利も無しに刑務所へ拘禁することを容認している。ビルマ(ミャンマー)のそのほかの治安立法の場合と同じく、この法律の規定は、「国家の主権と治安に対する危険」をあいまいに定義している。そのため、国は十分な法的手続きを経ずに、平和的に政治に関する意見を表明した人でも拘禁することができるのである。

 アムネスティ・インターナショナルは、国家保護法により認められた、起訴も裁判も無しに引き延ばされる拘禁は、国際的な人権基準に反するものであるということに対しても憂慮している。

【背景情報】
1989年から1995年までに及んだアウンサンスーチーさんの自宅軟禁は、自宅軟禁を認めた国家保護法の10条b項に基づいていた。

 1991年には、法律11/91(国家を破壊分子から守るための法律の改正法)に基づいて、国家保護法を改正した。これによって、起訴や裁判も無しに拘禁できる期間が最大3年から5年に延長され、その拘禁期間の更新は180日毎から1年毎になった。

 刑期がすでに満了している多くの良心の囚人が、国家保護法の10条a項とb項に基づいて拘禁されており、彼らの多くが病気で苦しんでいる。この中には、全ビルマ学生連盟連合(ABFSU)のリーダーであったために1989年3月から拘禁されているポーウートゥンさん別名ミンコーナインさんもいる。

 アムネスティはまた、刑期を満了したにもかかわらず、1975年の国家保護法10条a項とb項に基づいて今なお拘禁されたままであるすべての政治囚を釈放するようSPDCに要求している。


※この文書の翻訳および発信元は、アムネスティ・インターナショナル日本支部の ビルマ(ミャンマー)調整チーム です。お問い合わせは同チームまでお願いします。

出典: Amnesty International, 'Myanmar: Daw Aung San Suu Kyi must be released immediately' (AI Index: ASA 16/016/2003), 20 June 2003.