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国際社会

日本政府、外務省への要請書
2003年6月21日配信 ビルマ市民フォーラム

日本政府、外務省への要請書
ビルマ市民フォーラム
2003年6月21日

内閣総理大臣 小泉純一郎殿
外務大臣 川口順子殿

 川口外相は、プノンペンで開催された東南アジア諸国連合地域フォーラム(ARF)外相会議で、ビルマの軍事政権外相に対して、民主化運動指導者アウンサンスーチー氏が解放されなければ、日本政府の同国への政府開発援助(ODA)の停止もありうると伝えた、と報じられている。この姿勢は、軍事政権による5月30日の国民民主連盟(NLD)弾圧に関して日本外務省が発表した当初の談話にくらべれば大きな前進ではあるが、ビルマ市民フォーラム並びに下記の署名者は依然として、今回の事態への日本政府の対応には失望を禁じえない。

 外務省の最初の声明は非常に不十分なものであり、5月30日のできごとは状況の悪化を示すものではないとする外相の記者会見での発言は、あぜんとするものだった。現在、日本政府はスーチー氏の解放をより強く求めており、もし彼女が解放されなければ、日本の対ビルマ政策を見直す必要があるかもしれないと言っている。だが我々が考えるに、もはや見直しうんぬんの段階は過ぎ去り、今は断固たる具体的措置を講じるべきときである。

 5月末のNLD関係者の大量逮捕によって、ビルマの軍事政権は国際社会にむけて、真の政治改革をおこなう意思がないことをはっきりと示した。日本政府は、改革の意思のない政権には援助を供与する意思がないことを具体的な形で示す必要がある。われわれは日本政府に、ビルマへのODAをただちに停止するよう求める。そして、政治改革をODA再開の条件とすべきである。

 スーチー氏は軍事政権による自宅軟禁と解放を繰り返してきた。また過去3年間に何人かの政治犯が釈放される一方で、あらたな逮捕と再逮捕が続いている。国際社会は引き続きさまざまな方法で、軍事政権に政治改革を行うよう圧力をかけている。軍政は、1990年の総選挙の結果を無視する態度をとりながら、みずからを暫定政権であると言い、その「暫定的立場」を口実に、少数民族との紛争の政治解決交渉も拒んでいる。

 2002年5月のスーチー氏の自宅軟禁解除によって高まった期待もむなしく、最近のスーチー氏と彼女の支持者たちの逮捕は、軍事政権がこれまで同様かたくなな姿勢を崩していないことをはっきりと示している。彼らは多数の人々を逮捕しただけでなく、最近の報道によれば、軍政の翼賛組織である連邦団結発展協会(USDA)のメンバーや受刑者たちを訓練して破壊工作を行わせたと言われている。米国務省の声明(6月5日)によれば、5月30日の攻撃はあきらかに事前に計画された残虐なものであるという。 また、英国の外務担当閣外相の声明(6月19日)では、アウンサンスーチー氏は悪名高いインセイン刑務所に拘束されているという。日本政府は軍政への資金援助が民主化になんらかの貢献をするものと信じているが、いつまでそんなことを信じつづけるつもりなのだろうか? ビルマ情勢の後退は、ビルマの民主化を支援する名目で費やされた日本政府の善意、カネ、時間、資源に対する背信行為とみなすべきである。

 軍政は頃あいを見計らってスーチー氏を解放するであろうが、日本はそうした小手先の策略には惑わされないというメッセージを軍政にはっきりと伝えるために、ビルマ市民フォーラムと下記の署名者は以下のことを日本政府に対し要求する。

アウンサンスーチー氏ならびに5月30日とその後に逮捕されたその他の支持者たちの即時、無条件解放をひきつづき求めること。
軍事政権とNLD、少数民族政党代表との有意義な三者間政治対話のすみやかな開始を要求すること。この時点で、唯一対話開始の意向を示していないのは軍事政権である。
ビルマへのODAをただちに凍結すること。また、ODAの再開は再開についての三者合意を条件とすること。そうすることではじめて、軍政の責任ある態度を明確にさせることができ、援助が民主化のために意義ある貢献をすることになるというなんらかの保証が得られるからである。
 政治対話こそが、民主的な文民政府への移行を保証する最善の道である。ビルマ国民は1990年の総選挙をつうじて、民主主義にたいする強い願望を表明した。国民が今なお、スーチー氏を支持していることは、彼女の行く先々で何千人もの人々が彼女を歓迎していることによって実証されている。日本政府が今なすべきは、ビルマ国民を支援するためにさらに強力な手段を講じることである。三者間政治対話に向けて、アウンサンスーチー氏と軍事政権との間の仲裁役を果たすなどのより積極的な関与を考えてほしい。軍事政権への長すぎた支援はこれ以上無用である。

ビルマ市民フォーラム
代表 永井浩