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国際社会

米下院、ビルマ制裁強化を圧倒的多数で採択 有力上院議員、安保理討議を求める
2003年7月16日配信 バーマネット(速報版)

 米国下院では7月15日、賛成418、反対2の圧倒的多数で新しいビルマ制裁法が可決された。これを受けた有力上院議員は、国連安全保障理事会に対してビルマ政府への圧力を強化するよう要請した。16日の上院では、ジョン・マケイン(共和党、アリゾナ州)、ミッチ・マコーネル(共和党、ケンタッキー州)、パトリック・リーヒ(民主党、バーモント州)、サム・ブラウンバック(共和党、カンザス州)の各議員がブッシュ米国大統領に対し、国連安保理を通じてビルマ軍事政権と対決するよう強く求めた。この日マケイン議員は「米国とその同盟国がこの問題を取り上げる機はとうに熟している」と述べた。

 各議員はビルマへの「失敗した関与政策」を厳しく批判し、軍政への対応が甘すぎる国としてタイ、日本、中国を名指するとともに、暴力的なビルマ政府のやり方にひるむことのないノーベル平和賞受賞者で民主化指導者のアウンサンスーチー氏の勇気を称えた。スーチー氏は、支持者70人程度が殺害されたとみられる5月30日の襲撃事件以来、音信不通の状態が続いている。

 下院での法案採択の一月前の6月12日、上院では賛成97、反対1で同趣旨の法案が可決されている。上下院が条文の内容で合意に達した後、ブッシュ大統領は法案に直ちに署名する予定(注:上院は16日、下院が可決した条文を承認し、22日に大統領に提出された)。法案が成立すると、ビルマからの輸入禁止、軍政関係者の資産凍結が実施されるほか、既に実施されているビザ発給停止対象者の範囲が拡大される(注:詳細はhttp://thomas.loc.gov/cgi-bin/bdquery/z?d108:h.r.02330:を参照)

 16日の上院では、指導的立場にある上記4人の上院議員は一致して、国連安保理を通した行動に支持を表明した。一方でビルマ軍政と密接な関係にある中国政府は、安保理での決議採択に反対する可能性がある。これについてマコーネル議員は「中国が(安保理決議に)拒否権を発動するかどうかは問題ではない。(この問題が)安保理で取り上げられ、世界の最も重要な国々によって討議されることが重要なのだ」と発言した。

 マケイン議員はまた、ビルマの域内でのパートナー、とりわけASEANについて、ビルマ軍政への援助を停止するべきだと強く主張した。議員は日本政府が軍政への新規ODA供与を停止すると発表したことを評価する一方で、日本の今回の決定には既存の援助案件の見直しが含まれないことに触れ、「日本政府の既存案件の存在が今回のメッセージの中身を曖昧にしている」と警告した。

 マケイン、ブラウンバック、マコーネル各議員はまた、米国の同盟国であるタイ政府が、ビルマ軍政をテコ入れしていると非難した。ブラウンバック議員はタイ政府による国内の亡命ビルマ人への一連の厳しい政策を糾弾した。

 またASEANも軍政への対応が手ぬるいとして批判にさらされた。マケイン議員は「ビルマで軍による支配が続く限り、東南アジアに安定は訪れない」とした。またビルマが2006年にASEANの議長国に就任する予定であることを指摘し、「ビルマの悪質な居座りを許し続ければ」ASEANの信頼性がさらに損なわれる結果になると警告した。ビルマ政府はこの年(2006年)に、ASEAN閣僚級会合とASEAN地域フォーラム(ARF)の議長国を担当する。ARFにはこれまでは米国国防省が伝統的に参加してきた。(訳、箱田 徹)

出典: BurmaNet News (BNN News Flash), 'Senate Leaders Demand UN Security Council 'Take Up' Burma', (July 16, 2003.)