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社会

国連特使、盗聴騒ぎに巻き込まれる
2003年3月24日配信 BBCニュース

国連特使、盗聴騒ぎに巻き込まれる
BBCニュース
2003年3月24日


国連人権特別報告官が、政治囚と面会していた部屋に盗聴用マイクが隠してあるのを見つけたため、ビルマ訪問を予定より早く切り上げることを決めた。

ビルマの人権状況に関する国連特別報告官ピネイロ氏(ブラジル出身)は、予定より2日早い24日に首都ラングーンを発つと述べた。

国連からの声明によると、同氏は22日、ラングーン郊外のインセイン刑務所で囚人との面会中にマイクを発見した。

特派員らは、今回の事件でビルマ軍事政権当局が非常にばつの悪い思いをするだろうと見ている。軍政はピネイロ氏に対し、同氏が行きたい所に行けること、また誰とでも完全にプライバシーを保障された中で面会できることを約束していた。

ビルマは人権状況が悪いことから既に国際的な非難を浴びている。

人権保護団体によれば、国内の刑務所には約千人の政治犯が拘束されている。

5度目の訪問
ピネイロ氏がビルマの政治囚の状況を監察しにラングーンを訪れたのは今回で5回目だった。

3月末には、ジュネーブの国連人権委員会で報告書を発表する予定になっている。

国連関係者によれば、ピネイロ氏はマイク(第二次大戦の頃のもので、テーブルの下に付けてあったと言う)を見つけると刑務所を出、ただちにビルマ当局に対して正式な抗議を行った。

国連の声明は「このような状況で、ピネイロ氏は訪問を中断せざるを得ないと判断した」と述べている。

国連筋がBBCに語ったところによると、マイクを発見したピネイロ氏はろうばいし、激怒していたが、調査を完了させるために5月にラングーンに戻りたい意向。

BBCのラリー・ジェイガン特派員は、刑務所当局がピネイロ氏の面会を盗聴していたのは驚くべきことではない、と述べる。

ラングーンにいる法律家らによれば、ビルマ当局は囚人の家族との面会、さらには弁護士との面会までをも日常的に盗聴しているという。

見えない進展
ピネイロ氏は何度もビルマを訪問しているが、軍事政権に改革に向けた有意義な行動を起こさせることには成功していない。

昨年、軍政が民主化勢力指導者のアウンサンスーチー氏を自宅軟禁から解放した後、改革に対する期待感が一時的に高まった。

ピネイロ氏自身も4度目の訪問(2002年10月)の後に、刑務所当局の協力態勢を評価し、氏が面会を望んだ政治囚全員と事前通知なしに面会できたと述べていた。

しかし、特派員らは4度目の訪問後にあったかすかな希望の光が今やすっかり消えてしまったと言う。

BBCの特派員によれば、ピネイロ氏が訪問を打ち切ったことで、国連のラザリ特使によるビルマ訪問が実現する可能性がある。ラザリ氏はここ数週間、ラングーンを再訪問しようとしている。

BBCの特派員によれば、軍政はラザリ氏の受け入れにあまり乗り気でなかったが、今回の事件で、国連と協力する意志があることを示さなければならなくなった。

(日本語訳:秋元由紀)