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社会

シャン州南部でケシが大豊作
2003年4月16日配信 シャン・ヘラルド・ニュース

 タイ・ビルマ国境の農民たちは、ビルマ軍によって厳しい生活を強いられてはいるが、今年のケシは史上最高の豊作になると話している。
 ホームンとムントンの間にあるナマークティ村生まれの農民は、「クンサーの時代ですら、総収穫量が今年のような水準になることはなかった」と今年の収穫の様子を語っている。
 「メークンを西端、ソップパートを東端とすると、この間には14の村があり、全員がケシを栽培している。家の戸口まで栽培している家もあるくらいだ。今年は全員が二期作している」と付け加えた。

 住民によれば、一帯には約30人の中国人ボスがおり、うち「7割はムントンのコーカン人漢人)で、3割はタイから来ている」という。ケシを栽培するのは、パオ人、シャン人、リス人だ。キュコー村のある住民は「われわれはボスに強く依存した生活をしており、中には来期の収穫分を担保にして金を借りている住民もいるほどだ」と話している。
 別の農民は、こうした依存が生まれる一つの理由には薬物依存、特に覚せい剤依存があると指摘する。「村人の多くがケシ畑で働くときに、ヤーバ(覚せい剤)を使って元気を出している」とその実態を詳しく語ってくれた。
 この農民によれば、住民の4割が薬物を服用しており、服用者の男女比は3対1である。
カレンニー(カヤー)州とシャン州モントンとの国境地帯全体での収穫量は9~18トンであると推計される。一帯はクンサーが軍政に投降する1996年までは「自由シャン領」として知られていた。
  ボスに近いある住民は「1世帯の生産量は最低6ヴィス(1ヴィスは1.6kg)だが、多いところでは20ヴィス(32kg)になる」という。

 この地域に展開するビルマ軍とワ軍が共に、住民のケシ栽培を黙認していることは周知の事実のようだ。ある農民は次のように説明する。
  「2月18日にビルマ軍第226軽歩兵大隊所属のパトロール隊がキュコー村にやって来た。我々は兵士を歓待し、税として1万8000バーツ(5万4千円)とケシ4.5ヴィス(7.2kg)を渡した。この部隊は2日後にタムウォ村に行き、2万バーツ(6万円)とケシ4ヴィス(6.4kg)を受け取っている。この2つの村のほかにも、ビルマ軍はコーンテーベーにいるヤンエーの地元民兵を使って税の徴収をやらせている。」

 第226軽歩兵大隊の兵士約30人がサンクラーンに、またワ州統一軍(UWSA)第171軍区の兵士約50人がサンズー付近に駐屯している。両地点はメーホンソン県パンマファ郡のビルマ側にあたる。
 ビルマ政府は今年のケシ生産量を昨年比5割減の400トンにすると公約している。しかし国境の観測筋は、シャン州北部で激減した分の生産量は南部と東部での大増収によって相殺されるだろうと見ている。

補足:
 東部産のあへんは質が良いために、普段から高めの価格で取引されている。
 ムントン郡では、あへん1ヴィス(1.6kg)あたり1万1000バーツ(3万3000円)が相場だが、同郡中心部の西のロイキレック産あへんだと、価格は更に値上がりして1万1500バーツ~1万2000バーツ(3万4500円~3万6000円)となる。一方で西部産のあへん価格は、同8000~8500バーツ(2万4000円~2万5500円)だ。地元民兵が昨年11月に買い取ったときの価格は同6000~8000バーツ(1万8000円~2万4000円)だった。
 対照的に、郡内でのヤーバ(覚せい剤、メタンフェタミン系薬物)の価格は下落している。卸売価格が1錠4バーツ(12円)、末端価格が同5バーツ(15円)だ。国境のタイ側ファーン郡では、タイ政府が2月に麻薬撲滅キャンペーンを開始して以来、価格が4倍に急騰しており、卸売と末端価格がそれぞれ100バーツ(300円)、150バーツ(450円)である。

(訳、箱田 徹)

出典:Shan Herald Agency for News, 'Drugs: Growers claim bumper harvest (No: 06 - 04/2003)', 16th April, 2003.