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社会

目撃者が語るスーチー氏一行への攻撃 壮絶な襲撃事件現場 軍政発表の信憑性に疑義
2003年6月3日配信 イラワディ誌

壮絶な襲撃事件現場 軍政発表の信憑性に疑義
イラワディ・オンライン(ラジオ・フリー・アジアから転載)
2003年6月3日

 ラジオ・フリー・アジア(RFA)ビルマ語放送が新しく入手した目撃者談によると、ビルマ北部を遊説中の反政府指導者、国民民主連盟(NLD)のアウンサンスーチー書記長に同行した学生たちを30日夜に襲ったのは警察官や暴漢たちだった。この目撃者談は、死者を出した今回の事件が、対立する軍政支持派と反政府派との間の自然発生的なものだとするビルマ軍事政権の主張と矛盾する。

 アウンサンスーチー氏は5月30日午後6時半ごろ、ラングーンから北へ約800キロのサインビンジー村に到着。目撃者によると、氏はこの村で、拘束中のNLD党員の家族を励ます演説をした。午後7時ごろ、デパイン村から約3.2キロ離れた路上で、軍政の大衆翼賛団体、連邦団結発展協会(USDA)のメンバーが乗ったトラック5台ほどがスーチー氏一行を止めた。トラックから警察、僧侶の格好をした男や囚人らがどっと出てきた。

 目撃者の話によれば、長さ60~90センチの竹棒を持ったUSDAメンバーらは、トラックのヘッドライトからの明かりを頼りに、NLD支持者とアウンサンスーチーの一行数百人に襲いかかった。

 「襲撃者がアウンサンスーチー氏の車を攻撃しようとしたとき、4、5人の学生がスーチー氏を体でかばい、激しく殴られた。運転手は車をでこぼこ道に入れてその場を逃れた。ティンウー副議長もひどく殴られ、警察官3人に連行されるのが見えた」と目撃者は語った。

 そして「アウンサンスーチーの車に追いつこうとしたオートバイの一団はブダリンとモンユワの間で行く手をさえぎられ、乗っていた人たちを約100人の警察官が殴り倒した。衝突で殺された若い僧侶と学生の遺体はモンユワに運ばれるはずだった。だが遺体を運んでいた人たちが軍のトラック2台の追跡に遭い、遺体を置いて逃げざるを得なかったため、遺体は兵士に持ち去られてしまった」と付け加えた。

 1988年の民主化運動を武力で制圧して以来ビルマを支配している現軍政は、NLD支持者と軍政支持者数千人との今回の衝突で4人が死亡、50人がけがをしたと発表している。軍政はまたアウンサンスーチー氏とNLD党員19人を「保護のために拘束」した主張している。未確認の情報によると、スーチー氏は首都ラングーンの政府施設に収容されている。

 30日に実際に何が起きたのかについては、まだ完全には把握できていない。これは軍政が事件現場周辺の住民やNLD幹部宅の電話線を切っていることにもよる。

(日本語訳、秋元由紀)