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社会

軍政、スーチー氏の釈放拒否 対話プロセスは危機的状態に
2003年6月4日配信 BBCニュース

軍政、スーチー氏の釈放拒否 対話プロセスは危機的状態に
BBCオンライン
2003年6月4日

ビルマ軍政指導部は、ビルマ最大の反政府政党・国民民主連盟(NLD)のアウンサンスーチー書記長への「保護のための拘束」を続ける意思を明らかにした。

 キンマウンウィン副外相は首都ラングーンの外交団に対し、スーチー氏は健康であり、適切な時期が来たら釈放すると述べた。

 30日夜にNLD支持者と軍政の大衆翼賛組織「連邦団結発展協会」(USDA)との衝突があり、スーチー氏のほか、氏に同行していたティンウー副議長ら党員19人がビルマ軍事政権に拘束された。

スーチー氏、いまだ所在不明

 海外の人権活動家筋は、弾圧を正当化するために軍政当局が衝突を引き起こしたのではないかと推測している。

 国際人権NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチ(本部ニューヨーク)のブラッド・アダムス氏は「ビルマ政府は反政府勢力への迫害を止め、本格的な対話を開始し、ビルマを人権を尊重する国際社会の一員へと移行させるべきだ」と述べた。

 一方、ロイター電によれば、3日に非公開で行われた外交官へのブリーフィングの席上、同副外相は暴力事件の責任はスーチー氏の支持者にあるとした。

 また、軍政には依然として政治的和解を行う意思があると付け加えた。

 同副外相は、91年のノーベル平和賞受賞者でもあるスーチー氏の所在についての回答を拒否した。活動家筋は、ラングーンの「ゲストハウス」と呼ばれる政府施設に収容されていると見ている。

 各国指導者はビルマ政府にアウンサンスーチー氏を即時釈放するよう求めている。国連とEUのほか、スウェーデン、ドイツ、英国、米国、カナダ、フランス、オーストラリア、ギリシア、日本、タイ各政府もスーチー氏の処遇に憂慮を表明している。

 現在のところスーチー氏とは誰とも接触できない状態が続いている。

今後を占う特使の訪問

 BBCのビルマ担当、ラリー・ジャーガン特派員によれば、スーチー氏と軍政との対話プロセスは危機的な状態にある。

 ラザリ・イスマイル国連事務総長特使は6日からビルマ訪問を行う予定になっている。特使は2000年10月、NLDとビルマ政府との長期間に及んだ政治的こう着状態を打開する仲介役となった。

 しかしジャーガン氏によれば、ラザリ特使に対して、軍政はスーチー氏との会見を約束することは受け入れられないと回答する可能性が高く、ラングーンの外交筋は、そうなった場合、対話プロセスが終わりを迎えるのではないかと危惧している。(訳・編集、箱田 徹)