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社会

スーチー氏、負傷で加療中 衝突の死者は60人以上か 特使の訪問が焦点に
2003年6月4日配信 BBCニュース

スーチー氏、負傷で加療中 衝突の死者は60人以上か 特使の訪問が焦点に
BBCオンライン
2003年6月4日

ビルマ最大の反政府政党・国民民主連盟(NLD)のアウンサンスーチー書記長は30日夜の衝突の際に顔と肩に傷を負った。

 BBCのビルマ担当ラリー・ジャーガン特派員によれば、30日夜にビルマ北部サガイン管区内で、NLD支持者と軍政の大衆翼賛組織「連邦団結発展協会」(USDA)との間で衝突があったが、この際に、スーチー氏の車に投げいれられたレンガで窓ガラスが割れ、氏は顔と肩を負傷した。軍政はこの後にスーチー氏を「保護のため拘束」した。

 キンマウンウィン副外相は3日、首都ラングーンの外交団に対し、スーチー氏は健康であり、適切な時期が来たら釈放すると断言していた。

 ジャーガン特派員によれば、氏の身柄はラングーンからほど近い軍事施設に移されている。傷の程度は浅いと考えられている。

 外交団および国連関係者は何度も申し入れをしているが、スーチー氏との面会は実現していない。

事件の隠ぺいを図るビルマ軍政

 軍政は30日夜の衝突で4人が死亡したと発表した。しかし目撃証言によれば、この事件で60人以上が死亡したと推定しており、ジャーガン特派員によれば、ラングーンの外交筋は目撃者の安全を懸念している。ビルマ政府がこの事件を隠ぺいしようとしているためだ。

 またジャーガン氏によれば、政府は事件についてのニュースが広まるのを防ごうとしており、「BBCニュース・オンライン」もビルマ国内からアクセスすることができなくなった。

 軍政当局は事件のあった地域で数百人を逮捕しており、それ以上の人々が逮捕を逃れるため姿を隠している。

 海外の人権活動家筋は、弾圧を正当化するために軍政当局が衝突を引き起こしたのではないかと推測している。

 国際人権NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチ(本部ニューヨーク)のブラッド・アダムス氏は「ビルマ政府は反政府勢力への迫害を止め、本格的な対話を開始し、ビルマを人権を尊重する国際社会の一員へと移行させるべきだ」と述べた。

 一方、ロイター電によれば、3日に非公開で行われた外交官へのブリーフィングの席上、同副外相は暴力事件の責任はスーチー氏の支持者にあるとした。また、軍政には依然として政治的和解を行う意思があると付け加えた。

今後の鍵を握る特使の訪問

 ラザリ・イスマイル国連事務総長特使は民主化勢力と軍政との調停作業を行うため、6日からビルマを訪問する。特使は2000年10月、NLDとビルマ政府との長期間に及んだ政治的こう着状態を打開する仲介役を果たした。

 軍政側はスーチー氏との会見を約束できないと強く主張し続けたとしても、ラザリ氏は是が非でも訪問を行うと考えられている。

 ラングーンの外交筋は、ラザリ氏の訪問結果次第では対話プロセスが終わりを迎えるのではないかと懸念している。

(訳・編集、箱田徹)