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社会

覚せい剤は注文生産方式へ 民兵組織と国軍が工場警備 終わらないシャン州の薬物生産
2003年6月25日配信 シャン・ヘラルド・ニュース

 タイ政府が2003年2月に麻薬全面戦争を開始して以来、国境地帯にある多くの薬物精製所が操業を中断した。しかしシャン州東部の信頼できる情報筋によると、いくつかのスピード(覚せい剤)精製所は地元民兵組織司令官の庇護の下で操業を続け、タイ側の顧客の注文に応じている。

 ラフー人民兵組織の指導者を近い親戚に持つこの情報筋によると、タイのチェンライ県と国境を接するタチレクは、ムンサット郡、ムントン郡、ホーモン郡などシャン州のその他のタイ・ビルマ国境沿いの地域で起きている状況を如実に示しているという。同筋は、「私の知る限り、薬物精製工場のうち3ヵ所が現在も稼動している。工場では注文を受けてから製造を開始するようになっている」と述べた。

 1つ目の工場はタチレク西部のナンプーンにある。ナンプーン民兵組織のリーダー、イェシャイが所有し、ビルマ軍第359軽歩兵大隊が警備にあたっている。ナンプーンには、大、中、小3種類のコンプレッサーがあると言われている。大中小のコンプレッサーは一回あたりそれぞれ8錠、3錠、1錠のスピード錠を製造する。この工場ができて今年で4年目になる。

 もう1ヵ所の工場は、ジャカ村にあり、タチレクの北、メコン河沿いのケンラーブ・ムンポン間に位置する。オーナーはパンサン出身のワ人、アイトゥで、薬物精製を5年半続けている。工場は、ナヤオ民兵組織のリーダー、ジャヴィ氏の息子、トゥンラ氏(40)とタレーに駐在する第316軽歩兵大隊が警備にあたっている。この工場で精製された薬物はラオスを通して、カンボジア、ベトナムまで密輸されると言われる。この情報筋は「ワ軍が今年3月にこの地域から撤退したが、以前と変わらない操業が行われている」と話している。

 3つ目の工場のオーナーは、パニアン民兵組織のリーダーのラフー人のマク(35)とコーカン人(漢人)のタファー(47)だ。工場はタチレク北部モンハイ村落区ロイタウマウにある。操業は今年2月から行われている。

 タチレクの消息筋は、ビルマ政府が公約通り2004年中に薬物を撲滅させるかどうかについては懐疑的だ。ある運び屋は「薬物を撲滅できるかどうかは、ビルマ軍関係者が、我々のような運び屋や地元住民からドラッグを強奪するのをやめられるかどうかにかかっている。向こうは自分たちが欲しいものがあれば、我々によこせと要求してくる。もし断れば強制的に没収されてしまう。しかしその奪い取った薬物を使えば、もっと欲しくなるだけで悪循環が続く」と指摘する。

 例えば10年前、タイ製品をタチレクからタウンジーまで六輪トラックで運搬するのに、ワイロとして払う通行料の総額は10万チャットを上回ることは無かった。「だが今では、他の支出を除き、スムーズに運搬するための賄賂だけで300万チャットはくだらない」と言う。

 6月21日付のバンコク・ポスト紙によれば、ビルマは2004年までに、ラオスは2005年までに薬物を撲滅させると公約している。

 また世界最大の薬物組織として悪名をはせるワ人組織(UWSA)は、2005年までに薬物全廃を行うと約束している。(訳、久保 忠行)

出典:Shan Herald Agency for News, 'Speed being made to order (No: 16 - 06/2003) ', 25 June, 2003.