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社会

野党指導者、ビルマの変革のために行動を起こす準備があると語る
1998年8月10日配信 BBCイーストアジア・トゥディ

国民民主連盟によれば、同党の指導者アウンサンスーチーは実質的な自宅軟禁状態にあるとのことである。アウンサンスーチーは支持者に会うために首都の外に出ようとしたが、2週間前に軍事政権の手で強制的に帰宅させられた。彼女はそれ以来ラングーンの自宅にとどまっている。

しかし彼女は数名を自宅に迎えることができた。BBCの東南アジア特派員サイモン・イングラムもそのうちの一人である。インタビューは、先月体力的に厳しい体験をした彼女に、もう一度首都の外へ向かえるくらいに体力が回復するのはいつ頃になるのかと尋ねるという質問からはじまった。

アウンサンスーチーへのインタビュー
野党指導者、ビルマの変革のために行動を起こす準備があると語る

BBCイーストアジア・トゥディ 
1998年8月10日

アウンサンスーチー:もうすっかり体調は元に戻りました。これから出ようと思えばできるくらいです。皆でバンに乗りこみ、十分な食糧を積み込んで出かけることができます。

イングラム:ではなぜ外出されないのですか。外出できない主たる理由はなんですか? これはいつ出かけるのかという単純な質問です。

アウンサンスーチー:いつ出かけるのかという質問ですね。適切なときに出かけることになるでしょう。

イングラム:ビルマにおける政治的状況には解決策がまったくないかのように思われます。あなたの側の戦略を変更する必要があると思いますか?

アウンサンスーチー:私たちは一つの戦略を取り続けているのではありませんよ。これまでも様々な戦略を用いてきましたし、これからも新たな戦略を用いていくつもりです。しかし平和的な解決がもたらされることを強く望んでいます。平和的な解決とは、つまり対話による解決ということです。

イングラム:そうおっしゃるのなら、あなたが協議に必ず参加しなければならないという、あなたの側が掲げている要求――NLDが提示している条件ですね――を緩和すべき時期ではないのでしょうか? 軍事政権の手の内をあばくため、軍事政権を協議に参加させるためにです。

アウンサンスーチー:こちらから私を協議に参加させろと要求したことは一度もありません。私たちはただ協議は平等原則に基づかねばならないこと。つまり相手[軍事政権]が自分たちで誰を代表にするかを決めるならば、私たち[NLD]も自分たちで代表者を決めるという原則を主張してきただけです。平等原則に基づかないで本当の政治的な交渉を行うことはできません。協議の参加者を一方が勝手に決めて行われる本当の政治的交渉など考えられますか、不可能です。

イングラム:現在、国内で深刻化している出来事―経済状態、軍事政権が直面している国際社会からの非難―があります。こうした事態はじっさいあなたの側に有利にはたらいていると思いますか? 結果的に権力があなたの側に転がり込んでくることを望んでいますか?

アウンサンスーチー:いいえ。権力が転がり込んでほしいとは思っていません。ただ座して望んでさえいれば何かがかなうなどと考えているのでもありません。だからこそ私たちは活動しているのです。私は[ビルマに]民主主義を実現できると確信しています。それは歴史が私たちの側にあるからであり、ビルマが現在、軍事政権が国のために何もしておらず、人々が変化の必要性を理解しているような状況にあるからです。

イングラム:[ASEAN]地域の情勢もあなたに有利にはたらいていると思いますか? 例えばインドネシアでの最近の出来事や、変化が必要であるという率直な発言がフィリピン政府から発せられています。

アウンサンスーチー:ええ。地域の情勢も民主主義を支持する方へ向かっています。一年ほど前には、ASEAN的価値や西洋的な意味での民主主義に関する議論、経済発展の一番の近道はある種の権威主義的な支配体制を敷くことだという議論が続いていました。しかし現在そうした議論はまったくなくなってしまいました。もちろんこうした変化は私たちの追い風となっています。なぜなら私たちはこれまでも次の原則のもとで厳格に活動してきたからです。それは経済発展を政治的安定と切り離さず、真の政治的安定は国民が国家運営に参加することではじめて実現できるという原則。つまり[真の政治的安定のためには]民主的なシステムが不可欠だという主張です。

出典:Interview with Aung San Suu Kyi: Opposition Leader Ready to Step Up the Campaign for Change in Burma, BBC: East Asia Today, August 10, 1998