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社会

ビルマ人津波被害者支援組織からの報告
2005年2月25日配信 

ビルマ人津波被害者支援組織からの報告
TAG(津波アクショングループ)2月14日付報告書要旨
山本宗補(ビルマ市民フォーラム運営委員)
2005年2月25日

TAGは緊急事態が過ぎたので、これまでの活動と組織体制の見直しを行っている。現在は現場で2チームが日常的な活動中。情報発信のための新たなチームを立ち上げ中。

TAG(津波アクショングループ、Tsunami Action Group):南タイ西部沿岸部でビルマ人労働者津波被災者への救援活動を中心的に担う。HREIB (Human Rights Education Institution in Burma), Grassroots HRE and Development Committee (Burma)がイニシアチブを取り、MAP Foundation, Thai Action Committee for Democracy in Burma, Action Network for Migrants (Thailand) などのタイ国内の組織と協力し、津波被災者支援のために立ち上げた(編注)。

TAGの活動現場

TAGの活動現場は、ビルマ人労働者の仕事先や避難先となるパンガー県のタクアパー郡からカオラックの範囲の海岸沿いから内陸部までが対象となる。具体的には、ビルマ人労働者の働く、ゴム園、建設現場、果樹園、森の中の避難所など。彼らを訪ね、米、食料、トイレ用品、蚊帳などを支給し、子どもには美術用品を配る。同時にIDカード再発行と健康保険カードに関する情報を説明する。

ビルマへの帰国について

片親を失った子どもたちの置かれた状況が危機的であることは変わらない。津波地域からの帰還者がビルマ軍政当局により、逮捕、投獄、懲罰、強制労働などをさせられているという情報があるため、危険を犯して帰国する者はいない。タイ当局も今はビルマ人労働者を拘束したり強制帰還させたりはしていない。

IDカード

ビルマ人労働者の仕事に関しては、収入になる仕事が見つかっていないか、定期収入がないのがほとんど。
TAGが力を入れている活動のひとつが、ビルマ人労働者が津波で無くしてしまったIDカードの再発行である。というのは、このカードによってタイ国内での滞在許可が与えられるため。カードなしでは、常に辱めや絶望感や恐れを感じて生活するしかないから。

IDカード再発行は面倒な作業で、現在は一日20人にIDカードが再発行される程度の処理体制しかない。というのは、広範囲に散らばるビルマ人労働者を集め、タイ当局のタクアパー郡事務所に同行して、コンピューターに登録されている13桁の番号を探し出すことで、IDの登録が確認され、IDカードの再発行となる。そのため時間がかかり、地区事務所の体制もできていない。地区事務所スタッフ、ビルマ人通訳ボランティア、専用スペースなどの体制が整えば、一日100人分のカードを処理することは可能である。

IDカード再発行後、労働者に同行し警察署で健康保険カードを失ったことを報告し、写真2枚を提出しなければならない。さらに労働者を病院に同行し、健康保険カードの再発行にこぎつける。TAGはこれまで85人にカード再発行を実現した。しかし、パンガー県では23988名が保険カードの登録があり、タクアパー郡では約5000名が登録されている。これらの人数からすると、IDカードと健康保険カードの再発行にかかる費用と時間は、相当かかることが予想される。

遺体の身元確認と葬儀などにかかわる問題点

TAGはこれまでに20件の宗教儀式の実施を支援した。しかし、遺体の処理に関してはタイ当局の総合的な対策が見られない。遺族が火葬を希望してもかなえられない。地区事務所に残るファイルの写真が、遺族にとっては愛する者の唯一の形見なので、遺族はその写真を手元に残したいと望んでいる。

ヤーンヤオ寺院の3000体の身元不明の遺体は別の場所に移動された。今後は政府関係機関、国連機関、NGOが協力して、タイ国内で働いていた労働者の身元を特定する対策が望まれる。ビルマ以外の国の大使館は、自国民の身元特定に積極的に動いているが、ビルマ大使館だけは例外だ。【了】