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社会

スマトラ島沖大地震とビルマ 被害状況と支援について
2005年1月6日配信 ビルマ情報ネットワーク

 12月26日に発生した大地震と津波の影響はビルマ(ミャンマー)にも及んでいます。海岸地形などから死者数千人という事態は避けられた模様ですが、国連などによれば86人が亡くなり、10人が行方不明、約6000人が被災しています。国内ではイラワディ管区がもっとも大きな被害を受けました。世界食糧計画(WFP)は、同管区では1万人が緊急援助を必要としていると述べています。また5日付の発表で、緊急食糧援助が必要な人の総数を1万5千人としました。南タイのパンガー県などで救援活動を行うシャンティ国際ボランティア会(SVA)によれば、活動地域ではビルマ人労働者とその家族5000人が被災しているとのことです。

 ラジオ局、ビルマ民主の声(DVB)によれば、アンダマン海上の群島部は津波自体の被害は軽微だったものの、発生当時に海に出ていた数十~数百人が依然として行方不明です。海上生活で知られるモーケン(サロン)人ら30~200人の消息が不明と伝えられています。ビルマ亡命政権(NCGUB)とビルマ人権教育研究所(HREIB)は4日からプーケットを訪れ、ビルマ人の被災状況を調査します。

 英BBCと米VOAによれば、WFPバンコク事務所は、漁民200人がタイ沿岸で行方不明になっているとの情報を把握しています。他方ユニセフは、被災地に住む子どもの生活状態の悪化を懸念しており、清潔な水を確保することが特に重要だとしています。また地震と津波による被害がマラリア感染者の増加につながるとも述べています。

 ビルマ政府は5日、死者64人、負傷者56人とし、29カ村が破壊され、3460人が住居を失ったとの数字を新たに発表しました。政府は自然災害の被害を日ごろからほとんど明らかにしていません。また外国人が国内で活動するのを好まないため、援助団体や国際機関の調査にも協力的ではないことが伝えられています。こうした経緯から、今回も政府発の情報の信憑性には強い疑義が呈されています。またアンダマン海の群島部の被害実態については、軍事上の要衝であるため、正確な把握は非常に困難だと見られています。

  ソーウィン首相は6日の被災地支援首脳会議で、自国被害者の救援は自力で可能だとの見解を改めて示しました。APによれば、同首相は、ビルマ政府の対応が迅速であったことは同国が「災害によって発生した被害に対応できた」ことを示しており、食糧や衣服、医療スタッフを搭載したヘリコプターがすぐに被災地へ向かったと述べています。そして資金は被害の大きな他国で使われるべきだとし「わが国の状況は対処可能であり、国民の被害を緩和するために最大限の努力を行っている」と話しています。
 ただし、ここ数日発表された地形データの解析結果や援助団体の調査結果によれば、ビルマでの津波被害の程度は、他国に比べてかなり軽かった模様です。当初懸念された死者数千人という事態は避けられたとする見方が広がっています。
 国際赤十字赤新月社連盟は4日付のリリースで、赤十字国際委員会がミャンマー赤十字と共同で、1日~3日までテナセリム管区(主にコータウン郡)で行った現地調査の結果を引用し、この地域に関する被災状況は、政府側の報告の範囲内だったとしています。WFPによれば、ユニセフ、国境なき医師団スイス支部、ワールドヴィジョンが同管区で独自に行った調査でも、同管区の被害がかなり小さかったことが確認されています。

 赤十字国際委員会の担当者はDVBに対し、被災者はミャンマー赤十字から蚊帳、衣服、敷物、屋根材、ろうそく、塩など当面の生存に必要な物資の支援を受けていると述べました。またWFPは各世帯に米5キロ、食用油3リットル、飲料水のほか、必要な生活物資の供給を行っています。将来的には損傷や破壊の被害を受けた家屋を立て直す建築資材が提供される予定です。