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社会

ビルマの政治囚への「衝撃的な」拷問を明らかにし、拷問を行う者及び命令の連鎖を初めて詳述した報告書
2005年12月2日配信 政治囚支援協会

人権団体が画期的な新報告書を発表。ジョン・マケイン上院議員は、この報告書はビルマという東南アジアの一国で行われている拷問が「まさに軍政の国家政策そのものである」ことを示している、と語る。

ビルマの政治囚への「衝撃的な」拷問を明らかにし、拷問を行う者及び命令の連鎖を初めて詳述した報告書
2005年12月2日
ビルマ政治囚支援協会
プレス・リリース

(2005年12月2日:バンコク、東京、ワシントンD.C)アジアを拠点に活動する人権団体は本日、政治囚への残忍で制度化された拷問を詳細に述べた信頼性の高い報告書を発表した。その報告書では、ビルマ軍政の中で直接に責任を負う人物を個別に名指ししており、また、拷問の「衝撃的な」規模とすさまじさを明らかにしている。

 124ページに及ぶAAPPB(ビルマ政治囚支援協会)の報告書「私たちが見ている闇:ビルマの尋問センター及び刑務所での拷問」( The Darkness We See: Torture in Burma's Interrogation Centers and Prison、英語PDF版ダウンロード先)は、ビルマに対する国際的な圧力が高まっている中発表される。この圧力の高まりは、先日バーツラフ ・ハベル前チェコ大統領と南アフリカのノーベル平和賞受賞者であるデズモント・ツツ大司教の両氏が、ビルマの問題を国連安全保障理事会(安保理)で取り扱うよう意見書を出したことがきっかけとなった。ビルマに変革を求める国連総会及び国連人権委員会の27の決議を執行することをビルマ軍政が拒んだことで、両者の努力はさらに支持された。ヨーロッパ議会は、二週間前の国連安保理の動きを支持し、一方で、アメリカのブッシュ大統領は、次回のアジア訪問で訪れる国にビルマを挙げた。

 この報告書に関して、11月後半の『Newsweek』誌のカバーストーリーとして掲載されたジョン・マケイン上院議員の評論『拷問の恐ろしい犠牲』では、「人権と民主主義の信念故に苦しんでいることに心が痛む。政治囚への拷問がビルマ軍事政権の国家政策であることをこの報告書は証明している。自由への大望を抱いているビルマの人びとを支持しているすべてのアメリカ人は憤慨するべきである。」と述べられている。また、マケイン上院議員は続けて、「なぜ国連安全保障理事会の行動が長い間、遅れているのか、この報告書がその詳細を明らかにしている。人権や人間としての品位を案じているアメリカ人は、ビルマの問題を取り上げるよう安全保障理事会に圧力をかけるべきである。」と語った。

 この報告書内での証言は、AAPPによる35人の元政治囚への聴き取り調査に基づいている。同報告書は節ごとに分けられており、それらは軍政による身体的、精神的、性的な侵害のさまざまな形を列挙している。また、拷問と同等の悪質な苦しみを与えるために医療措置を意図的に行なわないなど劣悪な刑務所の状況を軍政はどのように故意に助長しているのかを明らかにしている。ビルマの政治活動家、民間人は、軍政によって脅迫を受けているとも考えられるわけだが、刑務所はそれらの人々のアイデンティティを意図的、組織的に打ち砕くことを主要な目的としている施設である、と本報告書は結論づけている。

 現在政治囚に用いられている拷問方法には以下のようなものがある。

意識を喪失させるくらいの激しい殴打、時には死に至ることもある
性器を含む全身への電気ショック
ビルマでは「鉄の道」として知られる、肉がはがれるまで囚人のすねを鉄の棒で摩擦する方法
タバコやライターにより火傷を負わせる方法
首や足首に縄や足かせを付けることによる動作の制限。これは期間を引き延ばされ最高で数ヶ月にも及ぶ
数時間にもわたり、身体の同じ部位を毎秒打つこれはビルマで「チクタク拷問"tick-tock torture"」として知られる
 AAPPの書記であるコータテーは、「この報告書は、ビルマの尋問センターや刑務所における衝撃的な拷問の全てを報告する最初のものである。これを読めば、ビルマで、政治的反対意見を持つ疑いをかけられた者に対して、どれだけ深刻な人権侵害がなされているかが明らかだ。」と語っている。

 ビルマの大多数の政治囚が、公の場で実権を握っている軍事政権に対する反対を表明するか、あるいはそのような動きが確認されたことにより逮捕されている。ビルマで最も注目を集めている政治囚、アウンサンスーチーは、拘禁状態にありながら賞を受けた世界でただ一人のノーベル平和賞受賞者である。彼女の政党、国民民主連盟の何百という党員が、刑務所に拘禁されている。そしてそのほとんどが拷問を受けている。

 この報告書は、ビルマにおける拷問について責任を負うべき個人と、指揮命令系統の関連性をはじめて明らかにした。内務大臣、国防大臣、外務大臣はいずれも軍事政権の「国家保護法」10条A項、B項によって起訴された囚人の拘禁について監督する責任を負う「三者委員会」のメンバーである。この「国家保護法」は、多くの囚人たちが拘禁されていることの「法的な」根拠となっている。こういった役割からいえば、これらの三人は、彼らの下で働く者たちとともに、ビルマにおける拷問の直接の責任を負う、と言える。

 当初の取調べにおいて受ける拷問は、主に軍特別情報部員によって行われるが、彼らは国防大臣の下で組織された国防情報委員会に属している。取り調べはさらに、特別捜査局や、特別捜査部(「特別支部」とも呼ばれ、ビルマの警察組織の一部である)によって行われ、これらは内務省に属している。

 報告書は、国連安全保障理事会が、ビルマ問題を取り上げることを勧告しており、また、国連のコフィ・アナン事務総長の個人的な関与を求めている。「私たちは国連に対して、意味のある行動を執るよう要請する」と、コータテーは付け加えた。

 「それが今でなければ、いったいいつやるのだろうか?」ビルマの元宗主国であるイギリスは、12月に安保理の議長国になる。

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