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経済・環境

MDX、サルウィン川のダム建設で覚書交換へ
2002年12月13日配信 バンコク・ポスト

(ユタナ・プライワン記者)タイの大手建設企業MDX社は、ビルマのサルウィン(タンルウィン)川でのダム建設計画(出力3600メガワット、日本最大の黒部ダムは同335MW)についてビルマ政府と近々覚書を交換する。タイ発電公団(EGAT)のシッティポン総裁によれば、調印は20日の予定。同社がダムを建設するのはサルウィン川上流になる見通しで、MDX社の建設計画はEGATとは別個のものである。MDXの電力子会社であるGMSパワー社は1997年から事業化調査を行っていた。

 MDXはこの他にも、プラチュアプキリカン県と国境を挟んだビルマ側テナセリウム(タニンダーイ)管区内の炭鉱開発、同管区タヴォイ(ダウェー)での港湾建設、メーソット-ラングーン間の道路建設でビルマ政府からの受注に成功している。また中国とラオスでもダム建設を手がけている。MDX株は再建銘柄扱いで、市場での取引は停止中である。

 日本の電源開発株式会社(特殊法人、2003年民営化予定)は1991年に水力開発調査を行い、サルウィン川流域に6カ所の開発候補地を選定した。MDXはこのうち1地点の開発に興味を示し、ビルマ政府との間で初期合意に達した。またEGATは別の2地点に関心を向けている。他の3カ所は建設業者側の関心を引いていない。

 MDXが手がけると見られるのは、シャン州タサンでのダム建設である。発電所がタイ領内にないため、ビルマ側からタイ側へ電線を引く方式が採られる。ダム建設の費用総額は最低36億ドル(41億円以上)とされる。

 またEGAT関係者によれば、同社が建設に関心を示している2つのダムは完成すればそれぞれ4540MW、792MWの発電能力があるという。候補地はメーホンソーン県メーサリアン郡のビルマ側で、EGATは内閣へ検討用に建設計画を提出している。タイ政府は、建設事業はEGATか民間会社いずれかへの発注を考えているが、事業の行方はビルマ、タイ両政府の交渉の行方次第である。

 (株)電源開発の調査では、頂長570m、高さ168mで出力4540MWのダムが考えられている。このダムの建設が完了すると、2万1400ライ(3424ヘクタール)が水没する。なおチャオプラヤ河上流にあるプミポンダム(ターク県)、シリキットダム(ウタラディット県)の水没地域は15万ライ(2万4000ヘクタール)である。EGATの建設計画によれば総費用は50~56億ドル(6000億~6720億円)になると推定される。

 シッティポン総裁によれば、サルウィン川に建設される発電所は2009年からタイへの電力供給を行うことが可能である。このダムの単位あたり発電コストは0.9バーツとなりアジア最安となる。石油火力や石炭火力発電所では通常1.8~2バーツである。(訳、箱田徹)

出典:Yuthana Praiwan, 'MDX plans dam on Salween' in Bangkok Post, December 13, 2002.