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民族・難民

シャン州のワ人移住計画の最新動向  故郷に戻るワ人は減少 
2003年5月8日配信 シャン・ヘラルド・ニュース

中国からの入植者が原因か ケシ栽培量は増加の見込みとラフー人専門家

 ラフー人組織からの情報によれば、シャン州南部のタイ国境沿いに移住させられたワ人の中で、故郷である同州北部の中国国境沿いに戻ろうとする人の数が減少傾向にある。

 「落ち着かない動き:シャン州東部でのワ人強制移住計画」Unsettling Movesの著者ジャペット・ジャクイ氏は最近ある会合で、「これは新たな現象だ。以前には、大喜びで故郷までの道のり(最低でも320km、最長では560km)を歩いて帰るワ人移住者が多く、旅行者が北に向かって長旅を続けるワ人に遭うことも珍しくはなかった」と述べた。

 氏はその理由について、元の家や畑の所有者が変わってしまったからだという。その所有者とは「まったくの他人だが、その家に代わりに住む許可を得た人々」だ。そしてワ州の州都パンサンの南ムンペンだけでも、中国側から来たワ人、漢人、ラフー人の500世帯以上が2002年12月に移住してきたと指摘する。

 また1999年から2001年のような大量移住計画はすでに終了しているが、現在でも毎日4~5世帯がトラックに乗って南下しているという。ジャペット氏は、2000年に亡くなったベンジャミン・ジャウー氏の弟だ。氏はラフー人指導者として大きな尊敬を集めていた。

 ジャペット氏は「つまり、ビルマ政府が何を言おうと、南部でのケシ生産量は増えることになるだろう」と結論付けた。 またジャペット氏は、ワ人の移住は薬物撲滅計画を円滑に進めるためだという、ワ人とビルマ人の指導部の公式説明が本当だとは思えないと論じる。

 「ケシを栽培する季節になれば、タイ・ビルマ国境沿いにはワ人の畑がますます広がることになるだろう。ワ人の畑をシャン人やラフー人の畑と見分けるのは簡単だ。シャン人は大きな木を切り倒さずに残しておく。一部の枝は落とすが、幹はそのままだ。ラフー人は、腰の高さより大きな木は切り倒して燃やす。ワ人は根っこも掘り起こして持ち帰り、薪にする」と述べた。

 またワ州の土地の貧しさという理由が何度も繰り返されているが、氏はこれにも反論する。「貧しいのは土地ではなくて、交通手段、特に道路事情だ。ワ州で栽培されているニンジンはふくらはぎほどの大きさにまで成長する」と述べた。

 そして、もしワ人10人に移住計画の賛否を尋ねれば次のような答えが返ってくるという。「2人は小声で反対と言い、5人は「自分にはわからない」と言う。後の3人は答えるたくないと言うだろうが、賛成する人はほとんどいない。」

 ジェペット氏によれば、ワ人の総人口の4分の1にあたる約12万6千人が2001年末までにシャン州南部にやってきた。ワ州統一軍(UWSA)最高司令官のパオ・ユー・チャン(タ・パン)は、それよりかなり少ない7万人という数字を出したが、2005年までには10万人を移住させるという目標値があるとしている。(訳、箱田 徹)

出典:Shan Herald Agency for News, 'Few relocated Wa returning to the north (No: 06-05/2003) ', 8th May, 2003.