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社会

アウンサンスーチー「ビルマ国民と世界のみなさんに訴える」
1998年7月28日配信 ラジオ放送「民主ビルマの声」(DVB)

ビルマ国民と世界のみなさんに訴える

アウンサンスーチー
1998年7月28日

 5月27日、国民民主連盟(NLD)は総選挙から8周年の集会を開催しました。その後、NLDの党員たち、なかでも国民によって選ばれたNLD所属の国会議員たちへの規制が強まりました。当局は彼らを拘束したり、拘束ではないまでも住居からの移動を制限しました。一部の議員たちに対する扱いは乱暴そのものだったといいます。殴る蹴るの暴行を受けたメンバーもいます。しかし、これは聞いたことのなので詳しくはわかりません。家族でも面会を許されませんから、父が、あるいは夫がどんな目にあっているのか、誰にもわかりません。たとえ口伝えにせよ、こういうニュースが伝えられるのは決していいことではありません。
 
 NLDのアウンシュエ議長はこうした党員および国会議員として選ばれたNLDメンバーに対する逮捕・拘束・禁足などの規制について、これらはNLDの公党としての権威を低下せしめ、政党としての活動を妨害するものであると非難しました。こうした行為の責任者であるウー・ティンライン内務大臣をしかるべく処罰すべきであると考えた私たちは裁判所に訴えることにしました。しかし訴状を持っていったところを突き返されました。訴状を取り上げずに、突き返すのは法に背く行為です。法の下で生活している私たちが、損害を被ったり、不当なあつかいを受けたり、自分の所属する団体の品位がおとしめられたり、団体の行動が妨害されたりした場合には、法律にもとづいて訴え、そうした行為の責任者に対してしかるべく処罰を下すよう要求する権利があります。こうした権利ですら制限されているのですから、私たち国民が、また私たちの国では、いかに人権を無視され、本来法の下で享受すべき権利を奪われているかがよくわかります。
 
 これからも私たちは法の下でできる限りのことをしていきます。NLDの国会議員や党員に対して不当なあつかいをしたり、不当な拘束を加えたり、行動制限や禁足を行なったり、不当な抑圧や拷問を課したりしたならば、私たちは指をくわえて見ていたりはしません。国民のみなさんもやはり黙って見ているようなことはしないでください。こうした不法・不当な行ないを目にしたときには、みなさんは自分が正しいと思う側に立ち、抗議に立ち上がるべきだと考えます。NLDは国民のみなさんに民主主義を実現するまでたたかいますと約束したとおりに今後も活動をつづけます。NLDの党員や国会議員が犠牲になろうとも、これまで何度も言ってきたように国民のみなさんを信頼してたたかいます。
 
 デモクラシーとは国民自身が政治の主人公になることです。それはつまり国民にも大き1な責任と義務があるということです。義務と権利は別々にできるものではありません。私は繰り返して言ってきました。民主主義的な諸権利が欲しいというのなら、民主主義のなかでの義務を知らなければなりません。NLDの党員や国会議員たちの安全が脅かされ、普通に生活する権利さえ危うくなっている今回の事態のなかで、国民のみなさんが一致協力して支援してくださいますよう私からお願いします。
 世界中のみなさんにも訴えます。今回のような不当・不法なふるまいを黙って見過ごさないでください。抗議の声をあげてください。いかにひどいやり方であるかを、すべての人々にわかるように伝えてください。そしてこうしたことが起こらないように、有効なてだてを講じていただければと思います。
 
 国内のすべての問題について、私たちは話し合いを通じて解決していけます。そうしないで勝手に押さえつけるのはまったく馬鹿げたことです。捕まえたり、拷問したり、押さえつけたりすべきではありません。たとえ誰であろうとも不法・不当な行ないは許せません。受け入れられるはずがありません。他の民族がやってきて不当・不法な行為を行えば誰もが反抗するでしょう。同じ民族間であっても同様です。同じ民族同士であれば、より悲しむべきことです。どうして同じ国の人々が問題解決のために一緒に動けないのでしょう。なぜ対話の機会が持てないのか、まったく不可解です。国のために良かれと思う気持ちがあるのならば、国民に良かれと思う気持ちがあるのならば、どんなにたいへんな問題であろうとも話し合いを通じて解決していく責任があるはずです。それをしないで、一方的かつ強圧的なふるまいをする、力はこっちにあるんだと好き勝手にふるまう、こうしたことは絶対にすべきではありません。
 
 NLDの党員や国会議員が不当・不法な仕打ちを受けているいま、国民のみなさんが、そして世界中のかたがたが力を合わせ、理解と愛情をもって助けてくださいますようお願いいたします。

出典:ラジオ放送「民主ビルマの声」(DVB)
配布:在日ビルマ民主化共同行動委員会