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社会

アウンサンスーチー 第102回列国議会会議へのメッセージ
1999年9月12日配信 ビルマ国際議連/オルタナティブ・アセアン

第102回列国議会会議へのメッセージ

アウンサンスーチー
国民民主連盟書記長/ノーベル平和賞受賞者
提供:ビルマ国際議連/オルタナティブ・アセアン


  はじめに国民議会代理委員会から第102回列国議会会議へのご挨拶を申し上げたいと思います。

  国民議会代理委員会(CRPP=10人委員会)は、1990年にビルマ国民が選出した議会の代理を務めるため、昨年設立されました。選挙以来9年が経ちましたが、国民の民主的な意思によって選出された議員は、いまだその任務をまっとうすることを許されていません。ビルマが非暴力による組織的な方法で、民主主義のプロセスを享受するというのが、私たちの意図するところであり、良い世代に至るためには、良い先例を確立しなければなりません。1990年に国民によって選出された議会の召集を許され、選出議員の任務遂行が許されるべきであると、私たちが強く主張するのは、そのためです。

  最近の東チモールでの出来事では、国民が民主的に表現した意思を軽んずるべきでなく、暴力と脅迫で国民の意思をくつがえしてはいけないことが強調されました。これはまさに9年前にビルマで起きたことです。国民が民主的に表現した意思が、暴力と脅迫によってくつがえさたのです。

  私たちは全世界の議員の皆さんが、私たちの正当な理念を支持して下さることを頼りにしています。私たちに与えられた皆様からの同情、精神的支援および実務的な助力に感謝したします。列国議会が私たちを憂慮しておられることは、ビルマ国内で拘留されている議員たちにも伝えられ、おおいに勇気が与えられております。現在40人以上の議員が拘留されたままになっています。

  彼らは、国民の意思が否定されることを拒絶し、民主的に選ばれた議会の召集が許されねばならないという原則を守っているために、拘留されているのです。ビルマの議員たちは最後までその義務を果たすことでしょう。そして CRPP は、国会召集が許されるまで、その代理を務めるでしょう。

  私たちは全世界の議員の皆さんが、ビルマで起こっていることに注目されることを望みます。これは私たちが自分たちの国だけを憂慮していることではありません。民主的な原則が、平和と公正の名のもとに享受されることが確立されるよう望むからです。

  私たちは民主主義を信じます。つまり基本的な人権への畏敬を保証する唯一のシステムであるからです。基本的な人権がなくては私たちの世界に平和があり得ないからです。ビルマでの議会の召集が許されたあかつきには、国民の真の意思を代表したものになるであることを確信するとともに、ビルマ国民は未来永劫世界のそして周辺地域の民主主義と平和への助力を行うことでしょう。

  ビルマの議員の多くが拘留されて以来、すでに1年が経過しております。うち何人かは、健康上の理由あるいは高齢のために釈放されました。議会のメンバーとしての任務を断念することを強いられた人々もおります。いささか皮肉ではありますが、彼らは一度も任務を遂行することを許可されていないのであります。議会のメンバーとしての任務を務めることを許される前に、辞職させられたのです。もちろんこういった事態は決して受け入れることは出来ません。私たちの昔の民主的な政府が定めた先例では、ひとりといえども 国民議会の同意なしに議員が辞職させられることはなかったからです。さらに、国会が不在の状態では、議員が辞職させられるということはありうべくもありません。辞職させることができるチャンネルがないのです。

  現在、CRPPが憂慮するのは、1990年に選出された議員が、国民の代表として存在したままだという事実であります。私たちは自分たちの政党である国民民主連盟と、他の政党を差別しておりません。CRPPは国民民主連盟だけでなく、他の4つの政党を代表しています。この4つの政党はそれぞれ異なった民族による政党であります。私たちはCRPPが国全体の支持によるものであることを確信しています。私たちの政治は異なった民族による連合であります、これは最良の選択であります。CRPPが異なった民族の代理を務めるという幸先のよい選択であります。

  民主主義がビルマに訪れたあかつき、私たちは世界の公正と平和の進展に向かって貢献をすることが可能になることを望みます。しかし、その時が来るまで、私たちの苦難に手を貸して下さることを、全世界の友人たちにお願いいたします。

  独裁的な軍の体制に対して、日常的に闘ってゆくことは容易なことではありません。多くの仲間が、嘆かわしいほどに苦しみました。そして今でも苦しんでいる者もいます。しかし、人類が過去よりも向上してゆかねばならないという、強固な信念に基づいて、戦いを継続していきます。私たちは、人類には進歩の能力があると信じます。私たちが自らの弱点に目をつぶっていることは出来ません。けれども私たちはこれらの弱点を克服する能力を持っていると信じます。私たちに審判が下されるとき、友人たちにお願いしたいのは、敵の冷徹さと不正行為を糾弾するだけでなく、私たち自身の弱点を克服するための助力をしていただきたいということです。

  民主主義確立の戦いに助力して下さってる全世界の人たちに感謝いたし、ご挨拶を終えたいと存じます。

  ありがとうございます。

  (翻訳 菅原秀)