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社会

アウンサンスーチー オーストラリア連邦議会へのメッセージ
1999年9月22日配信 オーストラリア・ビルマ評議会/オルタナティブ・アセアン/イメージズ・アジア

アウンサンスーチー オーストラリア連邦議会へのメッセージ

アウンサンスーチー
国民民主連盟書記長/ノーベル平和賞受賞者
提供:
オーストラリア・ビルマ評議会/オルタナティブ・アセアン/イメージズ・アジア

(公開日:1999年9月22日)

  オーストラリアは世界の中でも独自の位置を占めています。地理上ではアジアにありながら西洋型民主主義国家であるという位置です。ですから私たちは、オーストラリアには果たすべき特別な役割があると考えています。
  まずビルマの民主化運動を支持してくださっているオーストラリア連邦議会のすべての議員に感謝させていただきます。私はそのうちの多くの方から支持を伝える親書をいただいております。私自身とビルマの民主化のためにともに働いている仲間に対するみなさんの心遣いに、私は本当に心を打たれました。

  私たちはオーストラリア国民とオーストリア連邦議会の議員が民主主義の重要性を理解していらっしゃると確信しています。そしてまた私たちは、皆さんが私たちを支援するためにあらゆることを行う用意のあることも大変よく理解しています。ただ私たちは時折、オーストラリア政府の方針がビルマの民主化プロセスの進行を緩めはしないだろうかとかすかな不安を覚えることがあります。私たちはオーストラリア政府が近隣のアジア諸国と友好的な関係を維持していくことの重要性を理解しています。しかしこうした配慮によって、私たちが知っている、オーストラリア人の精神の確かな一部である民主主義へのかかわりが希薄になることを私たちは望んではいません。

  国民民主連盟および民主化諸勢力は、オーストラリア人権委員会委員のクリス・シドッチ氏が最近ビルマを訪問したことに懸念を抱いています。私たちは今回の訪問が誤ったサインとなりはしないかと懸念しています。国民民主連盟はクリス・シドッチ氏の訪問に関する調査結果を非常に詳細に記した文書を発表しました。私たちはオーストラリア政府、クリス・シドッチ氏自身、そしてオーストラリア国民が私たちの側にだけ好意を寄せていることを知っています。そして今回の訪問が、ビルマの人権状況の改善をある意味で、促進することになると考えられることを疑いません。しかしわが党のテインウー副議長がシドッチ氏本人に説明したように、私たちは今回の訪問がタイミングを見誤っており、また軽率であったと考えています。軍政当局が弾圧の手を最大限に強めていた時期に行われたため、今回の訪問の意味が曲解されかねないのです。今回の訪問は軍政の方針に対する賛成としてみなさかれない、つまり、国内の民主化勢力に対して彼らが行っていることへの暗黙の承認としてみなされかねません。こうした曲解が起きれば、私たちの側は大きな損害をこうむります。オーストラリアの国会議員とオーストラリア国民はビルマ民主化運動に損害を与えるようないかなることも望んでいないと私は確信しています。

  ですから私たちは皆さんに対して、わが国の軍政当局と接触する際にはどんな場合でも慎重に考えていただくようお願いしたいのです。軍政の現在の方針に対する承認あるいは支持として受け取られうる接触は、民主化運動にとって大きな損害となるからです。民主主義の大義を促進するねらいが完全に明らかにされた上での接触、そうした接触に私たちは反対しません。

  世界は21世紀へと向かうなかで、私たちはビルマの民主化プロセスもまた加速させていきたいと考えています。民主化の速度を速めるため、過去18カ月にわたって私たちは懸命の努力を続けてきました。私たちは90年総選挙で選出された議員による国会開催を要求しました。ビルマ国内でもまた世界でも人々の声が尊重されるべきときが来たからです。私たちは丁重かつ人道的に国会開設を要求しましたが、軍政側は弾圧を強化することでこれに応えました。90年選挙で選出された国会議員を逮捕・拘束し、国民民主連盟を解体しようともしたのです。彼らは国民民主連盟を解体することはできません。なぜならわが党はただの一政党にとどまらないからです。わが党は民主主義を求めるビルマ国民の欲求を代表しているのです。ビルマ国民が民主主義を求める限り国民民主連盟は存続します。そして私たちはビルマ国民の民主化への欲求は少しも弱まることなどないことに少しの疑いもいただいていません。

  私たちはオーストラリア連邦議会の議員に対して、国民議会代表委員会を明確に支持してくださるようお願いしたいのです。これは軍政側が国会開催を拒否した際に昨年設置されています。この委員会はビルマ国会が正式に開催されるまでの間、民主的に選出された国会を代表して行動しています。私たちは選出国会議員のうち54%以上の委任を受け、それに従って自らの務めを果たしています。私たちは正式な国会が開催されるまでの間、自らの務めを果たします。そして正式な議会が開催されれば、国民議会代表委員会は解散します。

  私たちはビルマに民主主義が訪れる日はそう遠くないと確信しています。私たちは民主化を達成できると確信しています。それはまずもって民主主義を求めるビルマ国民の強い欲求があるからです。しかし世界各地にいる仲間からの支援の重要性をいささかも過小評価するものではありません。ですからオーストラリア議会とオーストラリア国民そしてオーストラリア政府に対して、私たちの行っている民主化運動を支援してくださるようお願いするのです。

  私たちは、ひとつひとつの国家の内部が平和になることによってしか世界平和は達成されないという思いをいつも持っています。ビルマの民主化によって、私たちは自国内部の平和を達成するだけでなく、私たちの属する地域の平和に、そして世界の平和に貢献することにもなるのです。

  平和のために、人権のために、そして常識的な礼儀を踏まえた上で、私たちの味方になってくれるすべての皆さんに、民主化プロセスの加速のために支援が必要なこの時期に、私たちに対する最大限の支援をしてくださるようお願いします。

  最後にもう一度、私たちに絶え間ない支援を寄せていただいたすべての皆さんに感謝させていただきます。そして私たちが民主主義国家同士としてともに手を携え、人権の大義を世界中に広める日がくるのはそう遠いことではないという希望を述べさせていただきます。