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社会

NLD主催の連邦団結記念日祝賀会に参加したクリッシャー記者に対するインタビュー
2000年2月17日配信 BurmaNet News 2000年2月17日(臨時号)

BurmaNet:NLD本部で何をご覧になりましたか。式典の雰囲気はどういう感じでしたか。

 クリッシャー氏:倒れそうな建物ですね。私たちが利用したタクシーは党本部の通りを挟んだ向かい側に停まったのですが、そこにはカメラを持った男たちがいて、われわれの写真を撮ろうとしていました。最初私は気づかなかったのですが、彼らは軍情報部の者でした。そこで彼らを黙殺して通りを渡ることにしました。 本部の建物は大きく、しかし崩れかかったような建物で、祝賀会は4百人が優に入れる横長の部屋で行われました。祝賀会の前には、すでに3百人から4百人の人が集まっていました。来賓用のプラスチック製の椅子がいくつかあったものの、ほとんどの人は敷物の上に座っていました。正面には小さな聖書台もありましたね。
  アウンサンスーチーがやってきたのは午後二時です。集会には6人から8人ほどの外国人が参加していました。オーストラリア、米国、日本に英国とフランスの外交官ですね。また大手通信社の現地助手や、ジャーナリストらしき人々の一団も同時に会場にやってきました。

  敷物に座っていた大半の来場者は、スーチーさんを表すボタンを付けた女性たちで、子供を連れている人もいました。年かさの行った男性数名が脇に座っていました。前にも同じような光景を見ました。それは20年前、私が韓国で金大中氏の集会で見たものと同じ、もっともその時はほとんどが男性でした。しかしNLDの集会参加者の大半は女性でした。というのも、男性は罰される可能性が女性より高いため、会場に来るのを大変恐れているのです。
  彼女(アウンサンスーチー)は他の演説者が演壇から話したのとは対照的に、参加者と一緒に敷物に座っていました。党の役員を務める男性6人がスピーチを行い、その後、若者たちが風刺劇を上演しました。劇中、笑いが会場に満ちていましたね。出し物はおよそ一時間半にわたって続きました。
  その後、私たちはスーチー氏が事務所を構えている二階へ上がりました。部屋は大きく、たくさんの机がありました。そこが仕事場であるとのことで、週に数回は来ているそうです。党本部から外に出たとき、同じ連中が通りの向こう側から写真を撮りましたが、私たちを拘束したり、引き留めたりということはありませんでした。

あなたはカンボジアや朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)で活動されていますね(クリッシャー氏は1995年、洪水で穀物が大きな被害を受けた北朝鮮に米穀を援助する運動を組織した)

  ビルマは最悪ですよ。しかし一方では香港やマレーシアの趣もありますよね。ご存じのように英国の影響がありますし、いかにエレガントな都市だったかが伺い知れようというものです。ビルマ人は実際、立派な文化を持ち、事業展開をいかにスムーズにやるか、どう国を統治すればよいのかわかっているのです。店には英語を話す人がおり、皆とても礼儀正しい。こうした店員の姿は、私がこれまで見たうちで最良のサービスです。適切な国家運営がなされれば、この国はシンガポールにも肩を並べているでしょう。
  しかし国軍が問題です。議論の余地のないことですが、ビルマ国民は、国軍を教育の足りない、この国の未来を憂慮してない存在だと感じているのです。軍は外国人を嫌い、NGOというとスパイであると考えるのです。実際ビルマにはNGOが13団体しかなく、いずれもその活動を著しく制限されています。従事している活動のほとんどはHIV対策か、教育関連の分野です。

  一方、北朝鮮政府は国民のことを考えています。行政を上手に運営する技術はないが、国民を助けようとはしています。洪水が起きる前には統一的な保健事業も行っていましたが、洪水とそれに伴う飢餓が起き、またソ連が崩壊して以降は機能していません。資金があった頃は、子どもたちは手厚くケアされていました。北朝鮮政府はプロパガンダに凝り固まっていますが、大学を閉鎖することはありませんでした。それがビルマ軍事政権との違いです。
  ビルマでもいくつかの学部が再開されています。しかし大学生の若者の大半は「失われた世代」と言えましょう。ビルマを除くアジアの国々のほとんどが、子どもや国民のことを真剣に考えています。不適切なケースがないとは言いませんが、取り組もうとはしている。しかしビルマの将軍たちはやろうとしない。彼らは自分たちに教育がないことにコンプレックスを抱いているのです。
  カンボジアなど、ビルマに比べれば天国も同然ですよ。(ビルマには)ほとんど希望がないと思われるでしょうね。本当にもったいないことをしています。

(翻訳:ビルマ翻訳グループ、西村勝也/全体チェック菅原秀)