AI Index ASA 16/015/2001 - News Service No. 98
アムネスティ・インターナショナル ニュースリリース
現在、ジュネーブにおいて国際労働会議(ILC:International Labour Conference)が開催されているが、この機会にアムネスティ・インターナショナルは、ビルマ(ミャンマー)における少数民族への強制労働に焦点をあてた報告書を発行する。これまでも少数民族は継続して迫害の対象となってきたし、広範囲な人権侵害の被害者であった。しかし、この報告書は、彼らが日常的にもっとも虐待を受けているのは、強制労働によってであると述べている。
「小数民族は、男性、女性、子どもを問わず、何日も、あるいは何週間にもわたって重い荷物を抱えて険しい路を歩いて運ぶ作業や、鉄道、道路、ダム建設などの建設工事を強制されている。そのために、疲労と殴打により数百人が死亡している。」
最近、ビルマ(ミャンマー)政府は、国際労働機構(ILO:International Labour Organization)の9月の強制労働に関する訪問調査に協力すると約束した。アムネスティ・インターナショナルは、ビルマ(ミャンマー)政府である国家平和開発評議会(SPDC: State Peace and Development Council)に対し、ILOの調査団が十分かつ自由に調査を遂行でき、また彼らに対して証言を行う全ての人々の安全を保障するよう求める。
昨年10月、SPDCは強制労働を禁止する法律を導入した。しかし、2001年2月、アムネスティがタイに逃れた少数民族の難民を調査したところでは、同様の強制労働が未だ継続していることが判明している。
「SPDCは、この法律を実行に移すという政治的意思を示さなければならない。こうした強制労働が続く限り、幾千もの犠牲者が絶望のあまりタイに逃れる状況が継続するだろう。」
何度か強制労働に徴用されたという、あるモン民族の難民は、次のようにアムネスティに語った。
「私ではなく、祖父が殴られたんです。68歳ですよ。祖父が疲労のあまり倒れてしまったところ、兵士たちが軍靴で蹴ったり、銃の台じりで殴ったりしたのです。祖父が運ばされていた荷物を、私が一部引き受けると兵士に懇願しましたが、許されませんでした。祖父は、荷役からやっと帰ってきたその3日後に亡くなりました。」
少数民族は同国の人口の三分の一を占めていながら、武装反対勢力が国軍と戦闘を繰り広げている「黒の」または「灰色の」地帯と呼ばれる地域に住んでいて、ことさら影響を受けやすい立場にある。
こうした戦闘地帯における犠牲者の大多数は、小さな居住地に住んで稲作で生計を立てている農民である。
アムネスティの報告書は次のように述べている。
「国軍は、パトロールの最中に、強制労働に従事させるために村人を捕え、家畜や米、金銭や村人の所有物を奪っている。武装反対勢力と関係があると見られた村人は、拷問を受けたり、殺害されることさえある。」
49歳の仏教徒の女性は、国軍が村にやってきて彼女の所有物全てを略奪した後、数ヶ月をジャングルで過ごしたとアムネスティに語った。2000年中頃、国軍が隠れ家にやってきて、15歳になる姪のナウ・ポの頭を銃で撃ちぬいたのを彼女は目撃した。また、2000年9月には、妻に先立たれた後3人の子どもを育ててきた甥のマウ・トゥが、家に銃を打ち込まれて殺され、子どもたちが誘拐されたという。
報告書は、モン、シャン、カイン(カレン)の各州と、タニンサリ[タニンダーイ(テナセリウム)]およびバゴー管区における少数民族に対する人権侵害の状況を概説し、また憂慮を述べたものである。情報は、タイに逃れた難民を面接して得られた。こうした難民は、強制労働、恣意的な徴税、強制荷役労働の際の拷問や非人道的扱い、また友人や家族を超法規的に殺害されたために、家を捨てて隣国に逃れなければならなかった人々である。
ビルマ(ミャンマー)における人権状況は未だ重大ではあるが、励みになる最近の動きもある。とりわけ、アムネスティ・インターナショナルは、国連事務総長の特使であるラザリ大使の同国への最近の訪問を歓迎するものである。
※ 上記の報告書はアムネスティ国際事務局のホームページ上のライブラリーから取得可能である。同ホームページのアドレスは以下のとおりである。 http://www.amnesty.org
※この文書の翻訳および発信元は、アムネスティ・インターナショナル日本支部のビルマ(ミャンマー)調整グループです。